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サーベラスは3月27日のブリーフィングで、経営情報から遮断されていることを盛んに強調した。05年にサーベラス自身が推薦して西武HDに送りこんだ2人の取締役のうち、1人は執行役員であり、ホテル事業やゴルフ事業の改革を担当する経営企画部第二事業戦略室のゼネラルマネージャーでもある。だが、非常勤のもう1人の取締役も含め、サーベラスが推薦して送りこんだ2人の取締役から、経営情報は一切得られていないとサーベラスは言い切った。「取締役には守秘義務があるから、推薦したから情報がとれるわけではない」という理由だという。
今回のTOBに関していえば、サーベラスには、世界中で数々の投資実績を誇る割に、ひたすら力で押さえ込もうとするだけで、計算し尽くされた硬軟織り交ぜた狡猾さが一向に感じられない。一方の西武HD経営陣にも、上場準備のプロセスで、サーベラスを丸め込む手練手管が欠落していたとは言えないか。7年もの付き合いがありながら、サーベラスの“ころがし方”を体得できなかったのだとしたら、その点では西武HDの後藤社長は力量を問われてしかるべきではないか。
(文=伊藤歩/金融ジャーナリスト)
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