ハローワーク活用術
では、「正社員事務職0.3時代」を、どう生き残っていけばよいのか。厳しい状況下における転職成功のコツは、ハローワークをいかに上手に使いこなすかにかかっている。
第一に、膨大な求人情報から自分の希望条件に合った求人を絞り込む検索スキルを磨くことが重要だ。
ハローワークインターネットサービス(ハロネ)にアクセスすれば、24時間どこにいてもハローワークの求人をスマートフォンで検索できる。登録なしで誰でも利用できるが、事前にハローワークで求職登録しておけば、求職番号を入力することで、匿名求人も企業名表示される。瞬時に社名検索して、どんな会社かを調べられるのは便利だ。
ハロネなら、給与、勤務時間、休日などの基本条件はもちろん、キーボードのないハローワーク検索機ではできないフリーワード検索もできる。「経理部長候補」や「営業部長」と入れて、希望する求人をダイレクトに出す裏ワザも有効だ。めぼしい求人のみハローワークに出掛けて紹介状を発行してもらって応募すればよい。
第二に、ハローワーク内に設置されている職業相談窓口の活用法。
応募したい求人が見つかったら、必ず窓口で聞いておきたいのは、応募先の企業が「過去1年に何回求人を出して、何人採用しているか」ということだ。ハローワークには、採用したそばから人が辞めていくような“ブラック企業”の求人も多いので、もし頻繁に同職の求人を出しているような企業だったら、応募はパスしたほうが賢明だ。
また、応募したい企業には、事前に「想定年齢」をハローワークの係官を通して問い合わせてもらうのも有効だ。求人での年齢制限は原則禁止のため、20代の若手を求めている企業に片っ端から40代以降の人が応募するのは、あまりにも効率が悪いからだ。
なかなか成果が出ないで困ったら、特別サービスを利用したい。
ハローワークでは、マンツーマンでキメ細かく指導してくれる「個別支援サービス」を実施している。希望者は、窓口で申し出れば、完全予約制で、原則として毎回同じ担当者が相談に乗ってくれる。待ち時間はほぼゼロ。期間は3カ月が標準だが、期限内に約半数が就職しているという。
1~2週間に一度のペースで相談にのってもらい、前回の応募結果を踏まえて応募書類を添削してもらったり、次回の面接時の想定問答なども一緒に考えてもらえるのがありがたい。少し大きめのハローワークならどこでも実施している定番サービスとなっている。