月給40万円の中核人材
これまでのキャリアを生かして転職したい人にオススメなのが、中核人材確保支援センターだ。2016年3月に「人材銀行」と呼ばれていた専用施設が廃止され、それに代わって同年4月、既存のハローワーク内に設置された官製人材バンク。
40歳以上の管理職・技術職・専門職が対象で、登録された専用求人には、ハローワークにはない月給40万円以上の好条件の求人も見つけることができる。求職者側から求人検索して応募するだけではなく、ヘッドハンティングしたい企業側が、登録者のなかから欲しい人材にアプローチするのが大きな特長だ。
企業側から声がかかるかどうかは、求職公開シートの内容次第。アピールポイントを絞って書けるよう、専任アドバイザーが懇切丁寧に指導してくれる。現在、東京・飯田橋、埼玉・大宮、京都・西陣、愛知・名古屋中のハローワークに設置されている。
中核人材のほかにも、特定の層を対象とした専門型ハローワークは、いくつかある。卒業まであと半年切ったのに、まだ内定をもらっていないどころか、就職活動すらしてこなかった人は、「新卒応援ハローワーク」が、いつでも大歓迎のうえ手取り足取り指導してくれる。卒業後3年以内なら、既卒でも利用可能だ。
新卒に限っては、ここ数年、空前の売り手市場が続いているため、今からでも採用目標人数を達成できなかった大企業の新卒追加募集でチャンスをゲットできる可能性もある。
卒業して、もうかなりの期間がたってしまったけれど、これから正社員をめざしたいという人は、「わかハロ」に注目したい。かつて「ヤングハローワーク」と呼ばれていた新しい関連施設が、数年前からブラッシュアップして再登場。ニートやフリーターも大歓迎のため、キャリアが足りない人でも焦らずじっくりと就活に取り組むことができる。
子育てママには、「マザーズハローワーク」がオススメ。子連れでも堂々と通えるのはもちろん、地元保育園の入園情報が一通り得られるうえ、子育てに理解のある企業の求人を開拓して紹介してくれる。窓口の相談員は、キメ細かな情報を提供してくれる。
いずれも大都市では、独立した施設として開設されているが、一般のハロワ内にも、これら専門窓口が設置されているケースもあるので、ぜひ市内及び近隣でどんな支援サービスが受けられるのか、一度じっくりと調べてみてほしい。
(文=日向咲嗣/ジャーナリスト)