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【はれのひ事件】特異な着物業界の実態…業界一丸で被害者支援、2年先分まで販売

構成=長井雄一朗/ライター
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――被害者の方からの問い合わせも多いのではないでしょうか。

松尾 はい、多いです。申し上げたように、被害は今年の成人式のみにとどまりません。来年、再来年に成人式を迎える方々のなかにも被害者がいるため、そうした方々を助けることは業界的にも意味があると考えています。

 はれのひは、横浜市、八王子市、つくば市、福岡市の4店舗に加えて、以前は柏市にもありました。それらの地域で被害に遭った方々に対して、趣旨に賛同した小売店を紹介します。

 また、はれのひでは前撮り撮影(購入する振り袖を着て事前に撮影する記念写真)の写真が届かないという相談もあったため、前撮り撮影に関してもサポートしていきます。

はれのひに業界内から「情けない」「論外」

 同業でいち早く救済を買って出たたんす屋を経営する、東京山喜の中村社長にも話を聞いた。

――今回、いち早く被害者の支援を表明したことで助かった人が多いのではないでしょうか。

中村健一氏(以下、中村) 駆け込みのお客様もいらっしゃったので、よかったかなと思います。

――みなさん、どのような被害に遭われたのでしょうか。

中村 横浜市のケースでは、「指定されたホテルに行ったが、誰もいない、着物もない」という話でした。そこで、手前どもの店頭で振り袖のレンタルと着付けをさせていただきました。

――きものと宝飾社が被害者の会を立ち上げましたが、貴社も参加されますか。

中村 できる限り協力したいと思っています。具体的にどうするかはまだ決まっていませんが、今後も被害に遭った方々をサポートしていきたいと考えています。

――今回の問題を受けて、はれのひの経営者と着物業界についてどう見ていますか。

中村 経営者については、まったくの論外です。八王子市では「荒井呉服店」が、横浜市では「いわきや」が支援に乗り出したと聞いています。また、被害者の方々を救済するために美容室からもフォローが入り、横浜市では成人式のやり直しの話もあります。

 今回、情けない業者があってはいけないことを起こしてしまったわけですが、何か問題が起きれば一丸となって助け合う、温かく優しい業界だと思っています。
(構成=長井雄一朗/ライター)

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