兜町では戌(いぬ)年に因んだ銘柄を「ブルドックソースや犬のマークでおなじみのJVCケンウッド」としている。ペット保険のアニコムHDにも期待する。犬の鳴き声の「ワン」の連想から、ラウンドワンや福利厚生代行サービスのベネフィット・ワンが大穴。
新元号がらみでは光村印刷、野崎印刷紙業、共立印刷、オフセット印刷用製版大手の光陽社などをリストアップしている。商業印刷や請求書などの印字、発送を手掛けるカワセコンピューターサプライに注目する向きもある。
毎日の回答で印象に残ったものをピックアップする。三菱電機の棚山正樹社長は景気の先行きを「横ばい」とみている。野村HDの永井グループCEOも同じ。味の素の西井社長、セブン&アイHDの井阪社長も同様で、井阪氏は国内の景況は「踊り場にある」と認識している。
東芝の綱川社長は「国内の景況は悪化する」とした。東芝の厳しい現状の投影か。「昨年の危機的状況から安定成長へのシフトチャレンジの年にしたい」と語る。安定成長では重電大手3社から完全に脱落する。2018年、重電は日立と三菱電機の2強の時代になる。
JR東日本の冨田社長は会社発足30周年の節目を迎え、「自主自立」「お客様第一」「地域密着」という会社発足の原点に立ち返ると述べている。JR3社(東日本、東海、西日本)にとって今年は厳しい年になる。特にリニア中央新幹線談合が発覚したJR東海は、かなり厳しいはずだが、経営陣に危機感が乏しいのが気掛かりだ。17年度内に東京地検特捜部はスーパーゼネコン4社の談合を立件すると意気込んでいる。
日本生命保険の筒井社長も国内の景況は「やや悪化する」と回答。「引き続き超低金利という厳しい環境が継続する」とみている。超低金利ではなくマイナス金利という異常事態なのである。金融業界のトップは、日銀のマイナス金利導入という歴史的な“誤謬”をもっと厳しく指弾すべきではないのか。
今年もトヨタ自動車の豊田章男社長はどこのアンケートにも答えていない。秘書や広報部でまとめるものを読者は“お約束事”で本人の回答と受け取っているのだが、豊田社長はこうした“お約束事”が嫌いらしい。
(文=編集部)