同一人物なのに、日経と読売で回答内容が異なる
読売と日経で共通する17人の回答者のうち、両紙で違った回答をしている人がいる。東京海上HDの永野毅社長だ。日経平均株価について、日経では高値2万5500円(12月)、安値2万500円(2月)とする一方、読売では2万円~2万5000円としている。高値が500円違う。「回答をつくった人が同じなら、数字の違いに気づくはず。本人も回答を送る際にチェックしないのだろうか」(財界の長老)との指摘が出ている。
日経でマクロ景気の回答をしている、みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長も、答えが異なる。日経では実質経済成長率1.2%、円相場は6月末が108円、12月末は105円と予測している。一方、読売ではそれぞれ1.0~1.5%、100~115円としている。
新日鐵住金の進藤孝生社長も同様に、日経で1.2%、115円と回答しているが、読売では1.0~1.5%、105~120円と答え、円相場に幅がある。
さらに、野村HDの永井浩二グループCEOは日経で1.1%、前後半とも120円としているが、読売では1.0~1.5%、110~125円との予測を出している。125円という円安を予想しており、かなり印象が違う。
読売と日経で聞き方が違うからかもしれないが、景気アンケートで読売、日経でニュアンスの違いが、はっきり出た人が少なくない。
株価予想、「2万5000円以上」が圧倒的多数
日経の株価予想では20人のうち17人が日経平均株価の高値は「2万5000円以上」と予測した。高値がもっとも低いのは三越伊勢丹HDの杉江俊彦社長で「高値2万4000円(10~12月)、安値2万2000円(1~3月)」。日本電産の永守重信会長兼社長は「高値2万4300円(4~5月)、安値2万1300円(11~12月)」としている。このあたりが妥当な予想なのかもしれない。
安値が2万円を割るとみているのはセコムの中山泰男社長だけで「安値1万9500円(6月)」、「高値は12月の2万5000円」だった。読売新聞の主要30社のトップアンケートでは4人が2万円割れと回答。うち2人は下値を1万8000円としており、日経よりかなりシビアな見方だ。
日経のアンケートで安値を2万円としているのは4人。2万500円が1人。2万2000円が6人である。信越化学工業の金川千尋会長は「高値2万8000円(8~9月)、安値2万1000円(1~2月)」とみている。