消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
「年に10個以上のグローブの無償提供を用具メーカーに求める有名選手もいます。また、誰もが知る超大物選手は、合同自主トレで1回のトレーニングを終えるたびに汗をかいたウェアを捨ててしまい、若手が驚いていました。かつてセントラル・リーグのMVPを獲得した選手(すでに引退)は、新しいスパイクを数日に1足、メーカーに無償提供を求めていました。実は、新品をタニマチ(支援者)にサインして配っていたのです」(業界関係者)
高額の報酬を得た上での選手のこうした振る舞いは、それを許すメーカー側にも責任があるが、社会人としての常識に欠けると言わざるを得ない。
無償提供を「少年のように喜ぶ」MLB選手
これまで紹介したケースは、プロ野球(NPB)の日本人選手の事例だが、米大リーグ(MLB)の選手やNPBの外国人選手は、少し事情が異なる。
ある中小用具メーカーは、大手のようにMLB選手を契約金で囲い込むことはせず(そうした予算もなければ、企業姿勢としても行わない)、選手には用具のみを無償提供する。だが、その用具の使い勝手のよさを聞きつけた有名選手が、インターネット通販で買う場合もある。
「用具を無償提供した外国人選手は、野球少年のように喜んでくれます。超一流選手から直接、お礼メールが届くこともあります。多忙な彼らなので簡単なメッセージですが、わざわざそこまでしてくれる例は、日本人選手ではあまり聞きません」(用具メーカー関係者)
手元に届いた用具を身に着けた写真を送ってくれる選手もいる。NPBの日本人選手とは違い、用具メーカーとの契約という“カベ”が高くない外国人選手は、自分が本当に気に入ると有料でも買う傾向が強いという。
競輪選手は超一流でも有料購入
ほかのプロ競技の“用具事情”はどうなっているのか。
たとえば、プロ競輪選手は、自分の乗る自転車は自ら購入する。ミリ単位の微妙な精度と強度の両立が求められる自転車のフレームは、「フレームビルダー」と呼ばれる職人と向き合いながら仕上げてもらう。価格はケースによって異なるが、筆者の取材先である著名なフレームビルダーでは20~30万円だ。
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