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ソフトバンク、孫正義「一神教」経営に広がる不安

文=編集部

伊藤忠、社長交代発表で株価下落

 もう1社、カリスマ経営者と株価の関係をアナリストが注視している、日本を代表する企業がある。

 それは伊藤忠商事だ。4月で在任8年となる岡藤正広社長はCEOの役職を新設し、4月1日付で、代表権を持つ会長兼CEOになる。事実上、岡藤体制の継続だが、新しい社長兼COO(最高執行責任者)に代表取締役専務執行役員の鈴木善久氏が昇格する。社長は6歳若返る。岡藤氏については、「2020年まで10年間は(社長を)続ける」(若手幹部)とみられていたが、8年の節目で交代した。

 1月18日の新旧社長の記者会見で岡藤氏は「新しい頭脳も必要だが、継続も重要だ。特に中国の人は肩書きを非常に重視する」と語っている。CITICとの提携を進めるために、CEOという肩書きが必要だったのだ。事実、「岡藤さんが会長兼CEOになってCITICとCPの専任担当になればいい」(元役員)との声も挙がっていた。

 岡藤氏の会長兼CEO職は最短2年、最長でも4年とみられている。そのため、鈴木新社長の任期も4年がメドになる。

 岡藤氏は最後まで交代を迷っていたのではないのか。悩み抜いた末の決断だったのだろう。というのも、“岡藤プレミアム”で伊藤忠の株価は上場来の高値、2254円(1月15日)を記録した。だが、現在は2000円台まで下がっている。岡藤氏の経営のカジ取りが鮮やかだっただけに、ポスト岡藤(=鈴木新体制)に不安が残ることを、株価が映し出している。

BusinessJournal編集部

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