安い・便利・安全なウーバー、日本では「うまくいかない」理由
文=大崎孝徳/名城大学経営学部教授
「白タク」をご存じでしょうか。無許可タクシー、違法タクシーのことです。日本では、必要な資格・免許・設備などを保有せずに、営利目的で人を運ぶことは法律で禁止されています。
しかし、アメリカやヨーロッパ、中国など、多くの国でスマートフォン(スマホ)を活用した“ネット白タク”とも呼べるサービスが大変さかんになってきています。こうしたサービスを提供するウーバーという米国の大手企業があります。2009年設立と歴史は短いものの、現在、世界70カ国でサービスを行い、会社の評価額は日本の本田技研工業(ホンダ)を超えるともいわれています。
ウーバーのサービスは、一般の人が自分の車を使って人を運ぶことにより収入を得たいと考えた場合、ウーバーのウェブサイトにドライバー登録を行い、逆に利用したい人はサイトからドライバーを選び、予約して運んでもらうという仕組みです。その際、ウーバーはサービス斡旋手数料を収入として得ます。