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セブン、客数減+店舗の稼ぐ力衰退鮮明…ファミマ、経営統合でも売上減予想で失敗か

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント

ファミマ、ローソンも苦戦

 セブン同様、ファミマも苦戦している。17年度のチェーン全店売上高は、経営統合前のサークルKサンクス(CKS)の上期実績を含む16年度との比較(日本基準)で、前年度比0.2%増の3兆160億円にとどまった。店舗数が減ったことなどが影響した。ファミマの既存店売上高は0.3%減っている。全店の日販は0.4%(2000円)減って52万円だった。18年度のチェーン全店売上高は店舗数が378店減ることもあり、0.5%減(IFRS/国際財務報告基準)の3兆円を見込んでいる。

 ファミマは近年、フィットネス事業やコインランドリー事業などの異業種へ参入したほか、ドラッグストア一体型店舗や書店一体型店舗を展開したり、RIZAPとのコラボ商品を販売するなど、異業種と連携した施策を強化し、集客を図っている。ただ、どれも斬新ではあるが、抜本的なテコ入れにつながっているとはいいがたい。こうした施策も悪くはないが、やはり全体的な商品力の底上げが不可欠といえる。

 ローソンも苦戦している。17年度のチェーン全店売上高は前年度比5.8%増の2兆2836億円で大きく伸張しているが、これは大量出店によってもたらされたものであり、1店1店の収益性は低下している状況だ。既存店売上高は0.1%減っている。全店の日販は0.7%(4000円)減って53.6万円だった。

 ローソンは健康関連商品を充実させることで差別化を図ってきた。01年に健康関連食品が充実したナチュラルローソンの出店を開始。03年には調剤薬局併設型店舗の出店を開始した。12年には糖質が少なく食物繊維などの栄養成分を多く含んだ「ブランパン」の販売を開始し大ヒットした。こうした取り組みにより、16年度の健康関連商品の売上高は3年前と比べて4倍となる2500億円にまで拡大している。この分野では、ある程度の競争力を保っているといえよう。

 ただ、セブンやファミマも同分野で黙っておらず、今後も優位性を保てるかどうかは予断を許さない。セブンは3月から「カラダの想いこの手から」のキャッチフレーズを新たに採用し、健康に配慮した商品の展開を強化する方針を打ち出している。ファミマは前述したRIZAPとのコラボ商品などで同分野を開拓している。

 異業種を巻き込んだ競争が激しさを増しているコンビニ業界。大手3社といえども安泰ではない時代に突入した。1店1店の稼ぐ力を高めることがこれまで以上に求められているといえそうだ。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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