セブン、なぜファミマより客単価が60円も高い? 品揃えに「雲泥の差」を生むスゴい仕掛け
以上のサービスは、大手コンビニチェーンの店舗であればどこでも受けられる。もちろん、取り扱いの会社が違ったりするが、どのコンビニ店舗でも同一に近いサービスが受けられる。
カウンター周りだけではなく、コンビニ店内の基本的な商品構成は、どの店舗でもほぼ同じである。しかし、セブンはローソンより約12万円、ファミリーマートより約13万円も平均日販が高い。
先ほどの公式「売上=客数×客単価」のなかで、客数を大きく左右する要素は店舗の立地環境である。これは各社の出店政策の違いであり、いかんともしがたい部分が大きいが、「客単価」をみてみると、セブンはローソンより28円、ファミリーマートより60円以上も高いのである。
前述のとおり、カウンター周りを含む店内全体の商品構成は、どのチェーンもほぼ同様であり、一店舗当たり約3000のアイテムが揃えられている。ではなぜ、これだけ客単価に違いが生じるのであろうか。
平均販売金額は横並び
「客単価」を分解してみると、
・客単価=一品当りの平均販売金額×一人当たりの購入点数
となる。コンビニにおいて「一品当たりの平均販売金額」は、ほとんどのチェーンでほぼ同じとなっている。
たとえば、コンビニの主力商品である「おにぎり」において、もっとも良く売れる商品は大半のチェーンで「ツナマヨ」か「鮭」だ。これらはコンビニという業態全体での絶対売れ筋商品であり、どのチェーンも販売順位で1位か2位となっている商品であるが、これらの商品の単価(販売価格)はツナマヨで115円程度。鮭で140円程度となっており、チェーンによる格差はほとんどない。また、近年コンビニの代表商品として定着した「カウンターコーヒー」の標準的な商品の価格は、1杯100円(Sサイズ、レギュラーサイズなどと呼ばれるもの)だ。
これもチェーンによる格差はほぼない。そのほかの商品を見回しても、ほとんど同じ金額で販売されている。これらコンビニの店頭にある全商品の平均販売金額(価格)は、おおよそ180円程度といわれる。価格政策上、この価格に関しては横並びの状況であり、少なくとも大手3チェーン(セブン、ローソン、ファミリーマート)については、価格差はほぼない。
つまり、客単価は「180円×一人当たりの購入点数」といえるのだ。セブンとローソンの客単価の差である28円、ファミリーマートとの差である約60円は、「一人当たりの購入点数」による格差ということになる。