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日産ゴーン会長、無資格検査発覚でも年報酬7億円…スバルの吉永会長も1億円超え

文=編集部

三菱マテリアル、竹内社長の遅すぎる辞任

 三菱マテリアルは6月22日、株主総会を開いた。株主総会後に開いた取締会で、竹内章社長が代表権のない会長に退き、副社長だった小野直樹氏が社長に昇格する人事を正式に決めた。

 報道陣には公開されなかったが、株主総会では株主からは一連の不正問題に関する質問が相次ぎ、怒鳴り声が響く場面もあった。前社長の竹内氏が会長として経営陣に残ることの是非を問われると、竹内氏はガバナンス強化に取り組んできた経緯を説明し、正当性を主張したという。

 取締役選任の賛成率は、社長を引責辞任する竹内氏が75.17%と極端に低かった。80%を下回れば、「実質不信任」との厳しい指摘もある。新社長になった小野氏の賛成率は90.30%だった。

 ほかに賛成率が9割を割ったのは、副社長(技術統括本部長)の飯田修氏の84.27%、専務執行役員(金属事業カンパニープレジデント)の鈴木康信氏の80.28%、社外取締役では三菱UFJ信託銀行会長の若林辰雄氏の75.14%。メインバンクからお目付役として送り込まれた社外取締役は、機関投資家からは「独立性に問題あり」とされ、賛成率は低くなる傾向が顕著になっている。

 三菱マテリアルでは昨年11月以降、子会社5社で品質データの改ざんが相次いで発覚した。一連の問題の最終報告書を3月に発表したが、本社は関与していないと説明してきた。子会社社長2人を更迭する一方、本社の役員は社長以下、減給処分だけで済ませた。処分の軽さを疑問視する声が出ていた。

 6月8日に「ない」としていた本体でも不正が発覚。竹内氏はようやく社長辞任を表明した。しかし、竹内氏は会長に残るうえ、記者会見も開かなかった。22日の株主総会後、新社長の小野氏がようやく記者会見したが、竹内氏は姿を見せなかった。

 小野氏は、本社に不正の疑いがあることを隠した対応について、「適切だった」と繰り返し強弁した。情報開示に後ろ向きな企業体質は改まっていないと指摘する声が多い。

 竹内氏がガバナンスの強化策を指導・監督する会長にとどまることについて、三菱グループ内部からも批判の声が上がる。竹内氏は対応の拙さに加え、出処進退の是非を問われるという二重の過ちを犯した。

 三菱マテリアルの信頼回復には、時間がかかりそうだ。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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