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土用丑の日にコンビニに並んだ「約3千円の鰻重」は売れたのか?今や味も品質も中国産で十分?

文=兜森衛
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今年の丑の日の売り上げは?

 さて、猛暑のなか一の丑、二の丑も終わったが、今年のウナギの売れ行きはどうだったのか。日本養殖新聞の高嶋茂男編集長に話を聞いた。

「ウナギ業界でいえば、専門店さん向けの活鰻の流通と、スーパー・量販店向け加工品の流通の2つに分かれますが、加工品は金額ベースで中小・大手スーパーも入れて丑の日当日の対前年比は100%を若干下回る数字じゃないかとみています。国産の活鰻に比べると中国産の活鰻のほうがキロ当たりで500円くらい下回っています。中国産だからといって、マズいということもありません。扱ってみて、品質も意外といいので、そのまま中国産を使っているケースも多いです。

 今年の年明け、1月、2月くらいまではシラスウナギが大不漁で、このまま捕れないんじゃないかと先行きが懸念されました。大事な7月にウナギがなかったら元も子もないということで、国産の出荷がかなりセーブされました。その代替品として、中国産の輸入活鰻はどうですかと問屋さんが声をかけて、うなぎ屋さんも背に腹は替えられないとして中国産活鰻を扱いました。3月以降、国産活鰻の出荷も増えてきたのですが、一部のうなぎ屋さんとしては、中国産は値頃で、品質も自分たちが考えていたより問題ないということで、国産活鰻に戻らずにそのまま中国産活鰻を使ったようです」(高嶋氏)

 今年6月の築地市場におけるウナギの平均卸売価格は、1キロ当たり5449円。昨年同月比で34%高く、過去最高値となった。これまでの過去最高値は2013年6月の1キロ当たり4859円だった。当然、専門店で食べようと思ったら、相当の出費を覚悟するしかない。
 
「価格については仕方ないでしょう。ここ10年で相当上がっていますからね。2013年に4年連続でシラスウナギが大不漁で相場が暴騰して、今年と同じくらい値上がりしました。そこで専門店さんがメニュー価格を上げました。それに続いて今年も上げているので、昔なら特上とか上のいい鰻重が食べられたような値段でも、今年は並が精一杯というのが実状です。この状況が変わることはないでしょう。今シーズンは、シラスウナギが来る時期がずれたのが大きいです。普通だったら11月、12月からシラスウナギ漁が始まって採捕、1月半ばくらいまでに池入れされたシラスを新物として出荷し、7月の丑の日に間に合わせるという流れです。しかし、今シーズンはようやく捕れだしたのが2月半ばくらいからでした」(同)

 多くの専門店が200円以上の値上げを余儀なくされた一方、あえて丑の日は休業にしている店もあるという。

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