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土用丑の日にコンビニに並んだ「約3千円の鰻重」は売れたのか?今や味も品質も中国産で十分?

文=兜森衛
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コンビニ各社の鰻重の売れ行き

 今年はお手頃な価格ということで、コンビニエンスストアで事前予約して食べた人も多かったのではないだろうか。セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートといった大手コンビニチェーンでは、今年も予約販売で「うなぎ蒲焼重」を発売した。セブンとファミマは、お手頃な1000円台は中国産、2600円前後の上は鹿児島産、ローソンは鹿児島県産で1980~2980円とやや高めの設定だった。

「中国産が1000円台で提供できるのは、ずっと取引があって販売ルートが確立されていることが大きいと思っております。販売数量は公表しておりませんが、一の丑、二の丑ともに昨年並みと聞いております。予約されるお客様は毎年楽しみにされているリピーターの方が多いと、現場の声として聞いております。来年以降の販売については、まだ決まっておりません。当社の特徴としては、全国に専用工場を持っているので、炭火での焼きと蒸しにこだわりを持って製造・販売いたしております」(セブン&アイ・ホールディングス広報センター)

「販売数量については公表しておりませんが、前年比ではウナギ4品で対前年比120%弱になります。当社のうなぎ蒲焼重は鹿児島県産の特上、上、あとは国産のうなぎ飯、中国産の蒲焼重も今年は入りましたが、メインとなるのは特上と上になります。予約の特上と上に関しては、お茶が1本付いて100円引きということをやったので、それも数字を押し上げる効果になったのではないかと考えております」(ユニー・ファミリーマートホールディングス広報室)

「うなぎ蒲焼重は、おそらく20年ほど前から展開していたのではないかとのことです。土用の丑の日のウナギは、古くからの日本の行事食であり、ニーズも高い商品ですので、うなぎは例年同様のラインナップで展開いたしました。販売数量は非公表ですが、前年並みとなっております。昨年は一の丑が7月25日で給料日にあたり好調だった。今年は20日だったため大きな伸びではなかったようです」(ローソン広報室)

さらに高騰する可能性も

 さて、このまま高騰が続けばどうなるのか。ニホンウナギもヨーロッパウナギのようにワシントン条約の附属書に掲載され、規制対象にされてしまうのだろうか。

「来年5月のワシントン条約締約国会議(スリランカ)での議題に関しては、附属書掲載の提案期限である12月24日までにどこかの国が提案すれば、そのままほぼ来年の5月に向けて附属書への掲載が決まってしまう可能性が高いですが、今の時点ではまだなんとも言えません。7月16~21日の動物委員会ではニホンウナギは取り上げられず、あくまで附属書にすでに掲載されているヨーロッパウナギの話題が中心でしたからね。ただ、来年5月に附属書に載る載らない以前に、業界内外で資源を守っていくということには変わりありません。もし載れば、貿易規制に伴い相場も今より高くなって、消費者離れが起きる心配もあります」(前出・高嶋氏)

 シラスウナギの国内採捕は、12月から4月の新月の夜前後の河川や海岸線において、都道府県知事の許可証を得た全国約2万人の採捕者が行い、その後、集荷業者から養殖業者に供給され、養殖場に池入れされる。池入れするシラスウナギの上限は全国計で21.7トンと決められているが、今年の池入れ数量は約14トンと、昨年の19.6トンを大幅に下回った。天然シラスウナギは「白いダイヤ」と呼ばれ高値で取引されており、密漁者も後を絶たない。
 
 まずは、12月24日までにニホンウナギが附属書掲載種として提案されるのか否か。そして、来年7月27日の「土用丑の日」に鰻は食べられるのか。非常に気になるところだ。
(文=兜森衛)

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