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金融庁の森前長官は米コロンビア大の非常勤教授に転出
他方、金融庁は責任をどう取るつもりなのか。金融庁は1年前までスルガ銀行を「地銀の優等生」と高く評価していた。昨年5月、当時の森信親長官は講演で「特異なビジネスモデルで、ニッチな分野に特化して高い収益率を上げている」と称賛した。
だが、スルガ銀行の高収益は、犯罪に問われかねない不正融資によって成り立っていた。不正を見過ごした責任は重い。スルガ銀行の処分を発表する記者会見でも、報道陣からは金融庁自身の責任を問う声が相次いだ。同庁幹部は「事前に察知できなかったことは否めない」と認めた。
金融庁は12年、13年、17年にスルガ銀行に立ち入り検査に入ったが、検査対象に投資用不動産は含まれていなかった。個人向け不動産ローンに特化した特異なビジネスモデルを行うスルガ銀行に関する検査で、投資用不動産をチェックしなかったのは驚くべき“手抜き”である。「森長官への忖度で、スルガ銀行について多少のお目こぼしがあったのではないのか」(有力地銀の頭取)との厳しい批判の目が向けられている。
金融庁の森前長官に対して、お咎めは一切ない。今年7月、異例の長さといえる3年間務めた金融庁長官を退任。米コロンビア大学国際公共政策大学院で非常勤の教授として教壇に立つと報じられた。日本の財政や金融政策を教えるという。
“海外逃亡”との怨嗟の声が金融界から上がっている。
(文=編集部)
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