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片山修「ずだぶくろ経営論」

パナソニック、社外取締役たちが驚いた「消費者目線の欠如」「内向き志向」

文=片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家

長榮 例えば、クールビズやというてるのに、取締役会には、みんなネクタイをして出てくる。「ネクタイやめようや」「いや、昔から決まってます」「なんやねん!」と(笑)。ちっちゃなことですけど、変えるのは大変ですよ。ちょうど、大田弘子さんがクールビズのことをいうてくださったので、「大田さんがいうてるぞ」ということにして、ようやく変わるといった具合でしたね。

片山 経営共創基盤パートナーCEOの冨山和彦さんを社外取締役に引き込まれたのも、長榮さんだそうですね。

長榮 冨山さんは当時、金融庁の「コーポレートガバナンスコードの策定に関する有識者会議」のメンバーだったので、意見を仰ぎにいったんです。初対面やったのに、的確に柔軟なアドバイスをしてくださって、「これやったら、うちの改革もうまいこと助言してもらえるんちゃうかな」と思って、改めて取締役就任を依頼したんです。

片山 17年には取締役の数を17人から12人に減らし、代表権を持つ役員は11人から4人に減らしました。

長榮 「代表取締役」は執行側の仕事でしょ。私は監督側なのに「なんで代表取締役が付いてんの?」と、最初から疑問やったんですよ。諮問委員会で指摘したら「その通りです、取りましょう」となって、会長や副会長からは、代表取締役が外れたんです。そうやってきちんと考えて、結局、代取は4人になった。ところが、「津賀社長が代表権を剥奪」みたいに書いたマスコミもあったから、みんなそう思っているかもしれないけどね(笑)。

 パナソニックのコーポレートガバナンスは世間並みになってきたとは思いますが、取締役会がもう少し機動的に動けるようにならなければいけないと思っています。それには、例えば社外取締役にもっと社内のことをわかってもらわなければいけない。

 それから、もう少し社外取締役のウエイトを増やしてもいいかなと考えています。現在、3分の1が社外ですが、半々にすることを視野に入れています。

大田弘子氏

 政策研究大学院大学教授の大田弘子氏は、00年に松下電器のアドバイザリーボードの一人として招かれ、経済財政政策大臣などを務め松下を離れた後、顧問を経て13年にパナソニック社外取締役に就任した。

片山 大田さんは、松下電器に関わり始めてから18年が経過しています。00年代の松下電器と比べて、今のパナソニックは変わりましたか。

片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家

片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家

愛知県名古屋市生まれ。2001年~2011年までの10年間、学習院女子大学客員教授を務める。企業経営論の日本の第一人者。主要月刊誌『中央公論』『文藝春秋』『Voice』『潮』などのほか、『週刊エコノミスト』『SAPIO』『THE21』など多数の雑誌に論文を執筆。経済、経営、政治など幅広いテーマを手掛ける。『ソニーの法則』(小学館文庫)20万部、『トヨタの方式』(同)は8万部のベストセラー。著書は60冊を超える。中国語、韓国語への翻訳書多数。

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