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日産・ルノー資本問題、キーマンは“豊田氏”…ゴーン逮捕、他自動車メーカーに深刻な影響

文=河村靖史/ジャーナリスト
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競合他社の嘆き

 ゴーン・ショックにはアライアンスに本来関係のない日系自動車メーカーなども影響を受けており、一連の報道を苦々しい思いで見ている。この時期、新製品の発表会や記者会見も多く予定されているが、多くのメーカーは「記者がルノー・日産関連の取材にかかりきりになっており、発表会をやっても来てもらえないし、報道してもらえない」と嘆く。

 マツダは世界初となる圧縮着火とスパークプラグ着火を併用するガソリンエンジン「スカイアクティブX」を初めて搭載した「マツダ3」(日本名=アクセラ)を米国ロサンゼルスオートショー(LAショー)に満を持して発表したが、ほとんど報道されず、ショー会場での興味も日産に集中していたという。

 トヨタ自動車は東京ミッドタウン日比谷で「レクサスUX」の発表会を開催したが、いつもより出席者が少なかったのに加え、来ているのは自動車雑誌やトヨタの地元・名古屋圏の新聞・テレビの記者ばかり。ホンダは都内のホテルで電動バイク「PCX エレクトリック」の報道発表と試乗会を開催したが、閑散としていたという。ホンダは12月に予定していた経済記者向けの鈴鹿製作所の取材会について参加記者が少ないことを理由に中止にした。

 一方で、日産が11月30日に東京・銀座にある日産のショールームで開催した「日産フォーミュラE体制」と「新型リーフ ニスモRC」の発表会には、予定していた日産のダニエレ・スキラッチ副社長と、日産の元役員でニッサン・モータースポーツ・インターナショナルの片桐隆夫CEOが「スケジュールの都合」を理由に急きょ出席を取り止めたが、100人を超える記者やカメラマンが詰め掛け、立ち見でも会場に入りきれないほどで会場は大混乱だった。

 日系自動車メーカーの広報関係者は「20年前の悪夢の再来」とため息をつく。20年前、日産は倒産の危機となり、支援してくれる企業を探していた。当時のダイムラー・クライスラー(現・ダイムラー)との提携交渉が表面化し、その後、ダイムラーが提携断念を公表。その後、ルノーが提携相手として登場した。この間も経済関係のニュースは日産一色で、それ以外は「何をアピールしても大きく報道されなかった」という。今回はさらに経営の先行きだけでなく、経営者の逮捕まで加わっており、問題の拡大、そして長期化は避けられない状況。アライアンスの先行きは不透明だが、関係のない企業の悩みも続く。
(文=河村靖史/ジャーナリスト)

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