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「スジの悪い話に積水ハウスが引っ掛かった背景に和田氏の長期独裁がある。五反田近くに和田氏の家があるという。そのお膝元で大きな土地取引をライバルにさらわれたりすれば、懲罰人事は必至。保身を優先した担当者は怪しげな商談にのめり込んだ。
詐欺問題の責任を押し付け合い、昨年(17年)末から積水ハウスの取締役会が揉めるようになり、直近の取締役会では、和田氏と阿部氏がそれぞれ『弁護士を立てて争う』と怒鳴り合うほどの大荒れだったと住宅メーカー関係者は打ち明ける」
同誌はこうも報じた。
「住宅メーカー業界では昨年の早い段階から『積水ハウスの社長交代』が噂になっていた。ただしその中身が違う。和田氏は会長を続投、阿部氏が退任し、社長には今回、副会長に就任した稲垣士郎副社長兼CFOが昇格するとみられていた」
地面師詐欺事件の責任をとらせ、阿部氏を退任に追い込むのが和田氏のシナリオだった。その動きを察知した阿部氏が、解任を仕掛けた和田氏を返り討ちにするクーデターを敢行し、実権を掌握した。
18年2月1日付で和田氏が取締役相談役に退き、阿部氏が会長、仲井嘉浩取締役が社長に就いた。
積水ハウスは4月26日、大阪市で定時株主総会を開いた。阿部氏ら11人の取締役が選任されたが、阿部氏の取締役選任の賛成比率は69%にとどまった。和田氏とその一派は一掃され、阿部氏が率いる新体制がスタートした。
だが、この事件は阿部氏のアキレス腱のままである。地面師詐欺グループが全員、逮捕、起訴されれば、やすやすと詐欺を許した阿部氏の社長時代の経営責任が、再び問われることになるとみられている。
和田氏の追い落としに成功した阿部氏が、積水ハウスの新しいドンになるのか。権力の座から引きずり下ろされた和田氏が、捲土重来を期すのではないかとの見方もある。和田氏と阿部氏が双方の刺し合いが続き共倒れになれば、52歳の若さで社長に就任した仲井氏が漁夫の利を得る可能性もある。
積水ハウスの首脳人事抗争は、これからが本番かもしれない。
(文=編集部)
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