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横浜DeNA球団、“経営”改革の舞台裏〜観客数増&経営改善の秘訣…池田社長に聞く

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–コミュニティボールパーク化構想の効果が表れているわけですね?

池田 コンコースを全面改修したり、最新鋭の大型ビジョンでさまざまな映像を流したり、飲食を拡充したりして、スタジアムと共に、球場に足を運んでいただいた方々に楽しんでもらえるような仕掛けをしてきました。その結果、野球が好きな人だけではなくて、「新しくなった球場に行ってみよう」という人と声が増えているからだと思います。それを裏付けるように、球場顧客分析をしたところ、リピート層だけでなく、初めて球場に来る層も増えていることがわかりました。今後も、市と球場と三位一体、コミュニティボールパーク化構想に基づいて継続的に球場の改修を行っていく計画です。

 それとともに、やはりチームへの期待感が大きいと思います。昨年まで5年連続して最下位で、せっかく球場に来て応援しても負け試合が圧倒的に多いわけですから、ファンの人たちは勝つということに飢えています。そうすると、楽しくない思いのまま帰宅することになり、自然と球場に足を運ばなくなるファンが増えてします。だから、当然チームも強くなっていかなければいけない。それで、チーム強化のために、トニ・ブランコ選手、ホルヘ・ソーサ選手、、多村仁志選手、ナイジャー・モーガン選手をはじめ多数の選手にチームに加わってもらい、現在セ・リーグ3位(8月1日時点)。ファンの方々の期待感は、ますます大きくなっていますね。

 今後も、来場者満足度の高い球場、愛されるチーム、そしてその二つの成長と期待、この3つで観客動員数を増やしていきたいと考えています。

●重要な経営指標は、観客動員数と満員の回数

–やはり、チームの勝敗は球団経営に大きく影響するのでしょうか?

池田 観客動員数に対して、かなり重要なパラメーターです。経営という観点から野球を見ると、勝ち負けに左右されない経営が理想だといわれますが、現実論として経営は勝敗に大きく左右されます。勝つ試合が続けば球場に足を運んでくれるお客様も増えますし、その中で活躍する選手が出てくると、その選手を見にお客様は来ます。今の横浜、神奈川は特にその傾向が強いように思います。ですから、そこを直視して球団経営をしていく必要があると考えています。

–球団経営をする上で、最も重視している経営指標は何でしょうか?

池田 通常は、観客動員数と満員の回数を見ています。それから、現時点において特に重視しているのは、一塁側の占拠率とグッズの売り上げです。

 グッズの売り上げも順調に増えていますが、やはり勝ち負けにすごく左右されます。ただ、興味深いのは、試合前のグッズショップ来店者数にはそれほど大きな差は出ませんが、試合終了後の来店者数は、勝った時と負けた時では大きな差があります。連勝した時と連敗した時ではさらに顕著です。

–スポンサー収入が去年の1.4倍くらいになっていますが、要因はなんでしょうか?

池田 旧来、プロ野球はダントツの人気を誇るスポーツだったので、黙っていても、さまざまな方々から話を持ち掛けていただけたわけですね。つまり、球団側から積極的に営業しなくても、仕事が入ってきた時代があったのだと思います。そのためもあり当社の営業は「待ちの営業」になっていました。そして、入ってきた案件を右から左に流す。これまでは、そういう営業体制の延長でもどうにかなっていました。

 しかし、いろいろなスポーツや、さまざまなエンターテインメントが注目されるようになり、プロ野球の人気もだんだんと影響が出たのだと思いますが、待っているだけではほとんど来てくれなくなっていました。そこで、2年かけて、きちんとした戦略に基づいて自分たちから積極的に企業へ働きかけていく営業体制をつくりました。

 企業サイドから見ても、「DeNAベイスターズは以前に比べてしっかりとして経営に取り組んでいる」という印象を持ってもらえているのではないかと思います。きちんとした戦略に基づいた営業メニュー持って伺えば、確率論としてはお付き合いしていただける可能性は当然高まりますよね。

●DeNAのブランド価値・知名度の向上

–ITというDeNA本体の本業とのシナジーはいかがですか?

池田 プロ野球に参入した目的のひとつが、DeNAのブランド価値・知名度の向上でしたが、その目的は着々と実現できていると思います。DeNAの認知度は圧倒的に高まりました。以前はDeNAをどう読めばいいのか、何をやっている会社なのかわからないという方が多かったのではないかと思いますが、今は少なくともDeNAを「ディー・エヌ・エー」と読んでいただけるようになりました。

–例えばDeNAベイスターズのサイトから、DeNA本体の事業であるゲーム利用へユーザーを誘導したりすることで、DeNAのビジネスに寄与するというような効果もあるのでしょうか?

BusinessJournal編集部

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