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流れ出た体液や血の痕には、強い殺菌力を持つ薬剤を散布して除菌する。拭き取りで対処できない場合は、汚れた床ごと剥がすという。
「クッションフロアなら切り取ってしまえばいいのですが、フローリングなどは剥がすだけでも一苦労です。畳も剥いでしまえばいいのですが、その下まで染み込んでいると、殺菌剤で拭いたり特殊な液体でコーティングしたりして、においを消します」(同)
床ならまだ対処できるが、一番大変なのは風呂場で亡くなっていた場合だという。
「風呂の水が溶けた体液で茶色く濁っていて、骨なども沈殿しています。そのまま下水には流せないので、ポンプで汲み上げてトイレから流して処分します」(同)
女性も多い特殊清掃員、みな黙々と作業
特殊で過酷な現場なのは間違いないが、男女問わず幅広い年齢層の従業員が所属しているという。
「においがダメな人は最初の現場でギブアップしますね。でも、慣れてしまえばなんとも思わなくなります。みなさんまじめで、黙々と作業される方が多いですね」(同)
現在、特殊清掃業界は大手と呼ばれる企業もなく、新規参入が増加している。しかし、村田氏によると、参入は楽かもしれないがその先が難しいという。
「作業自体は誰でもできるし、資格もいらないので新規参入のハードルは低いです。ただ、ゴミ処理には処理場との契約が不可欠ですが、簡単には契約は結べません。悪質な一部の業者のなかには、自分たちで勝手に処理したり、どこかに不法投棄したりしているところもあるようです」(同)
始めるのは簡単だが、最後まで責任を持ち、地道に事業を継続していくのは難しい特殊清掃業。ビジネスとして聞き馴染みのない分野であることは間違いないが、今後は需要が伸びていきそうだ。
(文=沼澤典史/清談社)
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