昨年7月、東京・渋谷の自宅で知人女性(当時28)に大量の覚せい剤を摂取させて殺害したとして、税理士で不動産会社社長の石原信明容疑者(69)が3月6日に逮捕された。容疑は殺人と覚せい剤取締法違反(使用)だ。
被害者の女性は亡くなる直前にLINEで友人に「いま薬物すすめられています」「どう切り抜けるか」などと状況を伝えており、「どうしよう日本酒飲んじゃってふつうに気付かず摂取してしまった」とも明かしていたという。翌朝、通報したのは異変に気づいた石原容疑者自らだ。司法解剖により、女性の体内からは致死量の100倍以上の濃度の覚せい剤が検出されている。
高級住宅街に位置する石原容疑者の豪華な自宅やクルマはメディアでも報じられており、高収入だったことがうかがえる。一方、被害者の女性は既婚者だが、この日は石原容疑者の自宅で一晩を過ごしたことになる。
2人がどのような関係だったのかは定かでないが、一部では3年ほど前にインターネット上で知り合ったともいわれている。また、一連の経緯を見る限り、石原容疑者は酒を使って被害者の女性に覚せい剤を強制したと見られており、覚せい剤を使っての性行為をするつもりだった可能性も示唆されている。そうした経験のあるA氏は、次のように語る。
「状況から見て、酔わせた上にシャブを混ぜてヤリたかったんだろうが、致死量の100倍というのはあり得ない。おそらく、容疑者は『女を狂わせよう』と興奮してシャブを入れすぎてしまったんだろう。知識のない素人がやりがちなミスだ」(A氏)
A氏は覚せい剤を使った性行為について以下のように語り、ため息をつく。
「絶対に勧めないが、自分の経験から言えるのは初心者はほんの少しで十分だということ。15年前、シャブをやったことのない女とする際、耳かきほどの量から始めて少しずつ増やしていったが、それでも0.02gぐらいがマックスだった。やればやるほど人体に耐性がつくので(1回あたりの)量が増えていく。しかし、致死量の100倍といえば50g以上。経験者でもびっくりする量で、即死するのも当然だろう。
シャブに限らず、クスリっていうのはオーバードーズが一番怖いから、少しずつ入れていくのが基本。ただ、酒に混ぜればシャブの苦さも薄まるため、被害者の女性も気づかなかったのだろう」(同)
覚せい剤は静脈注射による摂取ではすぐに効いてくるが、飲んだ場合は体内に行きわたるまで20~30分ほどの時間を要するという。A氏は「女性はその間にLINEを送り、次第に苦しみ始め、最後は泡を吹いたんだろう。かわいそうに……」とつぶやいた。
覚せい剤が通常より高値で取引されるケースとは
「ここ最近、媚薬や覚せい剤の使用をうたった、その手のビデオがけっこう多いんだ。ほとんどは演技や催眠術、あるいは酒でごまかしているんだが、たまに『これは本当にやってるな』とわかるものがある。大きな特徴は『女の子のろれつが回ってない』『目が充血している』『汗が出ている』というもので、容疑者はそうしたビデオを観て自分もやりたくなったのかもしれない。入手ルートは警察が捜査中ということだが、今は売人がネットに書き込んでいるケースもあり、一般人でも手に入れようと思えば入れられるから」(同)