12代目となる次期型も結果的には3ナンバーサイズとはなっているが、全幅が少し狭くなった程度ではなく、全長を縮小し、さらにホイールベースまで縮小しているとなると、次期型もリセールバリューの伸び悩み傾向が続くことが心配されるところである。
日本は今や“世界一の中古車輸出マーケット”ともいわれており、カローラだけでなく、下取り査定額や買い取り額算定に際し、海外バイヤーの間での人気、つまり海外マーケットでの中古車としての人気が価値を大きく左右する傾向が目立っているのである。
ツーリングは販売台数を維持できるか
また、ツーリングについては、今までのような販売台数を維持できるのかという不安もある。2017年10月に行われたマイナーチェンジのときには、カローラ・フィールダーの月販目標台数は3700台なので、年間にすると4万4400台となる。多少サイズは大きくなるが、次期型のステーションワゴンとなるツーリングに近いモデルとして、スバル「レヴォーグ」を挙げることができる。
日本自動車販売協会連合会によると、2018暦年でのレヴォーグの年間販売台数は1万5685台(月販平均約1307台)となっている。スバルとトヨタでは販売力に大きな開きがあるので、レヴォーグの数値はあくまで参考値となるが、フィールダーは代々5ナンバーサイズという手頃なサイズのステーションワゴンということで、個人商店などでの貨客兼用や、ライトバンほど酷使しない法人の営業車としての需要もかなり多かった(事実、ビジネスパッケージというものも用意されている)。
しかし、次期ツーリングは3ナンバーサイズになるだけでなく、現行フィールダーとは比較にならないほどプライベートカー色を強めているので、貨客兼用や法人需要の減少は織り込み済みで開発されているようにも見える。
現行フィールダーは「プロボックス」&「サクシード」との価格差がそれほど開いていないこともビジネスユースが多かった理由だが、次期型のツーリングでは価格上昇も避けられないところで、間違ってもビジネスパッケージなどは設定されないだろう。そのため、今まで通りのビジネスユースを確保するのは難しいだろうし、トヨタとしてもそれは望んでいない様子が十分に伝わってくる。失ったビジネスユースの穴をパーソナルユースでどこまで埋めるのかも、興味深いところである。