ただし、次期型デビュー後もバリエーションを絞って、現行アクシオ(セダン)とフィールダーは1.5Lガソリンと1.5L ベースのHEV搭載車を“EX”として新旧併売とし、ビジネスユースはこちらで対応することになっているとのことだ。ガソリンには4WDやMTなども用意されている。
新車販売の事情通に聞くと、以下のような答えが返ってきた。
「9月17日の正式デビューまでに、各セールスマンには厳しい予約受注のノルマが課されているようです。ただ、今回は3ナンバーサイズとなっているので、実車を見せられないなかで『実車を見ないと決められない』と結論(契約)を先延ばしにされるケースが多くなることをセールスマンは危惧しています。当面は、カムリやプリウスなど3ナンバー車の既納ユーザーに代替え促進をかけるしかないという声が目立ちます」
カローラを3ナンバー化するトヨタの戦略
「一億総中流時代」という言葉が完全に死語となり、格差社会化が進む今の日本では、カローラが3ナンバー化して上級志向のモデルとなっていくのは、新しいユーザーを求めて「脱大衆車」の道を選ぶという意味で理解できる。
ファミリーカー自体もミニバンや軽自動車にほぼ移行している現状を踏まえれば、多少のリスクは覚悟しても、カローラが次のステップへ進もうとしている現状は応援したいところである。
トヨタは今後、全店舗全車種扱いを進める過程で、車種ラインナップの整理を進めるとされている。次期カローラシリーズも「プレミオ」&「アリオン」が廃止されることを前提としているともいわれている。「マークX」は今年いっぱいで生産終了するし、となれば近い将来には、トヨタのセダンは「センチュリー」「クラウン」「プリウス」「ミライ」、そしてカローラぐらいに集約されることが考えられる。
ただ、過去にトヨタは数多くのセダンをラインナップしてきており、今でもその多くが現役で走っている。「プログレ」や最終型の「マークII」「チェイサー」「クレスタ」「カムリ」などなど……。これらのセダンはすでに3ナンバーサイズとなっており、カローラの3ナンバー化は、このような過去のトヨタセダンユーザーの取り込みを容易にすると見られている。