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それでも続く大株主2社とのドロドロ抗争劇

株主総会を乗り切った学習塾の栄光ホールディングス

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 翌7日、進学会側は「何らかの意図をもった無理なこじつけ」とこれらを全面否定した。栄光HDは、増進会からの取締役派遣のみ認めることにして、大株主2社を分断する作戦に出たのだ。そこで注目が集まったのは、2位の株主である増進会の出方。どちらにつくかで勝負が決まる。その増進会で突然、トップ交代があった。6月15日、鈴木勇一取締役が社長に昇格。前社長の加藤文夫氏は7月1日付けで顧問に退く。栄光問題をにらんだ社長交代だったと見られている。

 6月25日、増進会は進学会との共同株主提案を撤回して、進学会と手を切り、栄光HDとがっちりタッグを組んだ。これで勝負がついた。単独提案の形となった進学会はこれに反発。同日、栄光HDに加え、増進会に対しても法的措置を含めて検討すると発表した。注目された株主総会では、増進会の株主提案を否決し、会社側の提案を可決した。栄光HDによる大株主の分断作戦が功を奏したのである。

 この泥沼抗争劇の主役は栄光HDの近藤好紀社長だろう。その策士ぶりは頭抜けている。08年6月、創業社長の北山雅史氏を追い落とすクーデタを敢行し社長に就いた近藤氏は、巧みな権謀術数で地位を保ってきた。当時、北山氏に対抗するため、ホワイトナイトとして招きいれたのが増進会だ。一方、北山氏の陣営に馳せ参じたのが、予備校大手「さなる」。北山氏から栄光株を取得して筆頭株主になった。

 進学会が「さなる」から栄光株を取得したのは、東日本大震災直後の11年3月。栄光は学習塾の運営で業務提携していた進学会にホワイトナイトの役割を求めたのである。これで、増進会と進学会という2つのホワイトナイトが並び立つことになった。

 ところが、増進会と進学会が手を組み、取締役派遣の株主提案をした。総会で可決されれば、近藤社長は経営の実権を失う。早晩、社長の座を追われることになるのは目に見えていた。そこはそれ、近藤社長は策士だ。同床異夢の増進会と進学会のあいだにクサビを打ち込み、分断の挙に出た。この作戦がものの見事にあたり、株主総会を乗り切り、社長の座を死守した。

 だが、これにて一件落着とはいきそうにはない。進学会は巻き返しに出る、増進会は栄光HDの買収の機をうかがう。栄光、進学会、増進会の三つ巴の戦いは、これからも続く。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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