あのゲーム会社が今年1本も新作を出さず→様々な憶測「イナイレとレイトンで」

『イナズマイレブン 英雄たちのヴィクトリーロード』や『レイトン』シリーズ、『妖怪ウォッチ』『メガトン級ムサシW』『二ノ国 シリーズ』シリーズなどで知られるゲーム開発会社のレベルファイブが、今年に入り1本も新作ゲームをリリースしていないことが一部で話題を呼んでいる。特に『イナズマイレブン』は2023年内のリリースが発表されており、『レイトン』も新作の制作が発表されているものの現時点では具体的なリリース日は発表されておらず、「新作が出ない理由」をめぐってSNS上ではさまざまな推察が飛び交っている。

　1998年に福岡で設立されたレベルファイブは、2004年に発売されヒットした『ドラゴンクエスト8』（発売元：スクウェア・エニックス）の開発を手掛けるなどして存在感を高め、07年には初の自社パブリッシャー作品となる『レイトン教授と不思議な町』を発売。以降、社会現象にもなった『妖怪ウォッチ』をはじめ数多くのタイトルを世に送り出してきた。現在は福岡と東京に拠点を構え、約300人の社員を抱える規模に成長している。

　そんなレベルファイブだが、今年に入り11月を目前に控えた現時点でも1本も新作をリリースしていないことが話題となっている。同社は今年2月、『レイトン』シリーズの新作『レイトン教授と蒸気の新世界』の制作を発表し（機種：Nintendo Switch）、「Nintendo Direct 2023.2.9」内でティザーPVを公開。3月には『イナズマイレブン』の新作を23年内に発売することを発表し（機種：Nintendo Switch、プレイステーション4、iOS/Android）、新PVを公開。所持セーブ選手枠が4500人分に拡大されることや、テレビ画面や携帯モードなど自由な形式で遊べる点、ゲーム内アニメーションはアニメスタジオのMAPPAが担当することなどが発表。9月の「東京ゲームショウ2023」では、主人公の「笹波雲明」「円堂ハル」を声優の小村将、木間萌が担当することや、クロニクルモードで過去のチーム、ストーリーで戦うチームなどに勝利するともう一度戦えるようになることが発表。さらに同社の日野晃博社長からはタイトルが完成間近であることも明かされたが、2作とも現時点で詳細な発売日は発表されていない。ちなみに同社の公式サイト上では、『デカポリス』『ファンタジーライフi』『メガトン級ムサシW（ワイアード）』も23年に発売されるとアナウンスされているが、いずれも発売日は未定となっている。

年内に新作4本出し切るというミラクルに期待

　SNS上では

＜イナズマイレブンとレイトン教授とドラクエ作ってて忙しいだけ＞

＜レイトンはソシャゲが世界で売れすぎたてそっちの対応が忙しいんやろ＞

＜ムサシどうなったん＞

＜レベルファイブがクソゲー出したなんて話聞かないから大丈夫＞

＜何処で止まってんだ＞

などとさまざまな声が寄せられているが、ゲーム業界関係者はいう。

「制作を発表済の4作がリリースに向けて大詰めを迎えているのか、なかなか満足の行く出来に仕上がらずスケジュールが遅れているのか、いずれにしてもリリースはまだないものの、社内はかなり過酷な状況になっているのでは。純粋な新作タイトルという意味では、一昨年は4作、昨年は1作とみられるが、これ以外にも過去タイトルの別機種版リリースや自社タイトル関連の映画公開やアニメ放送も行っている。こうしたなかでレベルファイブ規模の中堅開発会社であれば1年に3～4本の新作を出すのが精いっぱいだろう。年内にあと2カ月で4本の新作をたて続けにリリースできるというのはちょっと考えにくく、数本は来年に延期になる可能性が高いが、逆に同社には4本すべて年内に出し切るというミラクルを期待したいところ」

　別のゲーム業界関係者はいう。

「出す以上は下手な仕上がりでは出せず、クオリティ面の問題でなかなかプロデューサーのGOが出なくてリリースが遅れるなんてことは、この業界では珍しくない。レベルファイブの経営状況はよくわからないが、多くのユーザが付いている既存タイトルも複数あるので、1年くらい新作が出なくても経営的には問題ないだろうし、焦って新作を出すよりは満足いくクオリティになるまで粘ったほうが長い目で見ればよい」

（文＝Business Journal編集部）