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ファミマ、ホットスナックのショーケースに掃除用モップ入れて乾燥…本部が釈明

文=Business Journal編集部
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ファミリーマートのショーケース(「Wikipedia」より)

 ファミリーマートのある店舗で、外国人の店員が洗ったモップをホットスナックのケースに入れて乾燥させていたとしてSNS上で大きな話題になっている。消費者の立場からしてみると、いくら洗った後であっても床を掃除するモップを入れていたケース内の食品は購入したくない。ファミリーマート広報部に、事実確認も含め話を聞いた。

 10月27日、あるXユーザーが次のように投稿した。

<ファミマよ…外国人だからってこれがいいか悪いか分からんのかね。
食べ物入れるショーケースにモップ干す??
洗ってあるからって、後で水洗いしますからって入れる??
こんなことしたの初めてだからって言ってたけどそんな日本語わかるのに
これがいいか悪いかはわかんないんだ>

ファミマ、ホットスナックのショーケースに掃除用モップ入れて乾燥…本部が釈明の画像2
Xに投稿されていた画像

 添付された写真には、人気商品「ファミチキ」のホットスナックを陳列するケース内に、モップなどが入っている様子が写っている。

 投稿主は外国人店員に確認したようだが、「(入れてあるモップは)洗ってある」「(ショーケースを)後で水洗いします」「(ショーケースにモップを入れたのは)初めて」などと言い訳をされたと報告。この投稿は瞬く間にX上で拡散され、ファミマに対する批判の声があふれた。さらに、複数のまとめサイトで取り上げられたこともあり、外国人の店員を雇うこと自体に反対する声も出るなど、炎上状態になった。

 これは2013年頃からSNSなどで広まるようになった「バイトテロ」の一種といえる。同年、「バカッター」という言葉がユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされるほど社会的に関心を集めた。Twitter(現X)上に悪ふざけを投稿することが増えたために生まれた新語。このバカッターの中で、特にアルバイト従業員が職場で不適切な行為を動画などに収め、SNS上に投稿することで起こす炎上騒ぎをバイトテロと呼ぶようになった。

ファミマ本部も事実を把握

 今回の外国人店員の行為は、悪ふざけをしているわけではなさそうだが、飲食物を扱う店舗として不適切な行動であるのは間違いない。投稿主は29日、「本社に該当店舗と事項を報告致しましたので、先日のツイート削除させて頂きました」として、元の投稿を削除している。さらに、「先程 店舗前を通りましたがショーケースは撤去されておりました。まだ会社からの連絡は何もありません」として、当該店舗のショーケースが撤去されたと報告。

 つまり、投稿主がファミマ本社に報告したことで、本社側がなんらかの対応を取ったものと考えられる。そこでBusiness Journal編集部はファミマ広報部に、事実確認を求めるとともに、どこの店舗なのか、今後の対応及び当該店員の処遇について問い合わせた。

「本件、本部としても認識しており、該当店舗には厳正な対応を行います。また、お客様に不快な思いをさせたことをお詫び申し上げますと共に、再発防止に向け管理体制の一層の強化に努めてまいります」(ファミリーマート管理本部広報部)

 店舗や店員に関しての言及はなかったが、この件を本部として把握し、すでに対応に当たっていることを明かした。

さまざまなバイトテロ、莫大な損害賠償や逮捕も

 過去には、ある蕎麦店でアルバイト店員が食器洗浄機の中に横たわるという悪ふざけを行い、その様子を写真に収めてSNSに投稿したことが原因で破産・閉店に追い込まれたケースがある。店側は、この学生に1385万円の損害賠償を請求した。さらに、あるステーキ店で、アルバイト店員が冷蔵庫に入った様子をSNSに投稿したことで、本部からフランチャイズ契約を打ち切られ、閉店をよぎなくされたことから、同店員に対して数千万円の損害賠償を請求した。ほかにも、大手回転寿司チェーンで、誤ってごみ箱に捨てた魚を拾い上げて調理する動画がSNS上に投稿された結果、株価が急落して時価総額で27億円も下がったケースもある。

 今年に入ってからも、しゃぶしゃぶ店で、アルバイト店員がほかの従業員から羽交い締めにされ、口の中にホイップクリームを流し込まれる動画がSNSに投稿され、炎上。運営会社が謝罪する事態になった。また、宇都宮の食堂で、パート従業員が鍋から別の人の口の中へ液体を直接流し込むという動画がSNS上で拡散。運営会社が謝罪し、関与したパート従業員3人のうち1人が自主退職、残る2人は解雇された。さらに大手ピザチェーンのアルバイト従業員が、鼻をほじった指をピザ生地にこすり付ける様子を撮った動画が炎上し、運営会社が謝罪、同店舗は営業停止となった。

 このように、アルバイト店員が気軽に上げた写真や動画によって甚大な損害が出ることもあるため、最近では職場内にスマートフォンの持ち込みを禁止している飲食店も少なくない。

 その一方で、冒頭のファミマのホットスナックケースに店員がモップを入れた行為について、SNSに投稿したXユーザーの行為を懸念する向きもある。それは、店の業務を妨害したことにならないか、との指摘だ。

 2022年に大手餃子チェーンの宮城県内の店舗で、「ナメクジが大量にいる」と指摘する投稿を行った元従業員の男性が今年、威力業務妨害の疑いで逮捕された。この男性は、店内の厨房でナメクジやゴキブリが大量に発生していることを店長に報告したが、適切に対処されなかったことから、写真付きでSNSに投稿。するとネット上で大きな話題となった。同チェーンの本部は保健所の調査の結果、衛生状態に問題はなかったとしつつも、運営会社とのフランチャイズ契約を打ち切った。

 さらに同チェーンは、男性がSNSに投稿したことで、店舗が不衛生であるような印象を世間に与え、結果的に閉店にまで至ったことを重く見て、刑事告訴した模様。だが、ナメクジがいたことは事実で、虚偽情報によって業務を妨害したわけではないにもかかわらず、逮捕は行き過ぎだと、男性を擁護する声も多い。

 なお、山岸純法律事務所代表の山岸純弁護士は、「時系列で言えば、店の不衛生さを告発したら放置されたという点が端緒になったようですが、SNSに投稿する行為の時点で間違っているので、店側を非難するのは筋違いです」として、事実であってもSNSに店の不利益になる情報を投稿する行為は、威力業務妨害になる恐れがあるとの見解を示している。

 誰でもSNSに投稿することで社会に広く情報を拡散することができる時代になったが、時にはそれが人や店などの信用や名誉を傷つけることを理解した上で、慎重に投稿する内容を吟味する必要があるのだろう。

(文=Business Journal編集部)

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