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ネット通販の多くは物流拠点から数日かけて商品を届けていたが、ネットスーパーは近くの既存店舗を拠点に即日配達する。だから生鮮食品などの宅配もできるようになった。
ネットスーパーの泣きどころは、採算の確保が難しい点だ。各社とも一定の金額以上は無料にしているが、一般に1件当たりの配送費を100円から500円程度取っている。しかし、実際の集荷・梱包、配送コストはそれを上回っているのが実情だ。ネットスーパー専任の担当者を置くと、その人件費がかかる。だから、ほとんどのネットスーパーは赤字といわれている。
黒字だと発表している企業も、その実態は、さまざまな経費(主に人件費)をほかの部署に付け替えて、表面上もうかっているように見せかけているだけ。単独事業として見た場合、ネットスーパーは赤字である。
ネットスーパーの競争相手は同業他社ではない。実は、最大のライバルは生協なのである。生協の食品宅配の売り上げは12年3月期で約8900億円。ネットスーパー全体の10倍以上の規模だ。生協は1人の配送員が同一地域の数十世帯を受け持ち、配送センターから週1回宅配する。効率的な配送でコストを抑え、利益を確保している。
現在、店舗出荷型がネットスーパーの主流だが、これからは生協のように専用配送センターから出荷する方式に移行することになるだろう。生協のユーザーをどれだけ取り込めるかが、ネットスーパーの勝負どころとなる。
同サービスが発展すれば、消費者の利便性は向上するだろう。一方、ネットスーパー各社は、必然的に価格競争に巻き込まれることになる。ネットスーパーは乱戦模様だ。
(文=編集部)
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