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五輪効果もなく、営業譲渡・閉鎖が進む“ぜい肉”事業

コナミ、サントリー…大手が参入フィットネスクラブは総崩れ?

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 コナミスポーツ&ライフはダントツの業界トップ企業だが、同社の親会社であるコナミの健康サービス事業(コナミスポーツ&ライフの事業は、本セグメントに含まれる)は、08年度〜10年度にかけ営業赤字が続いていた。11年度には、19施設の閉鎖など施設の統廃合を進めた構造改革の効果が出て、なんとか28億円の営業黒字を計上したが、大手他社も業績はあまりパッとせず、関西が基盤のオージースポーツ(大阪ガスの関連会社で、ブランド名は「コ・ス・パ」)が震災の影響をあまり受けずに5位に浮上したのが目立つ程度。中小規模のクラブでは、施設の閉鎖や営業譲渡がじわじわ増えている。

 構造的問題は、「寄せ集め組織」の高コスト体質だけではない

 業界の上位企業のルーツは、メーカー、流通、商社、不動産、レジャーなどの大手企業が、70~80年代にアメリカでのフィットネスクラブの隆盛を見て「日本でもブームがきっと来る」と当て込んで創業したところがほとんどを占める。

「健康」「若さ」といった好イメージを持つフィットネスクラブの運営は、企業イメージを良くし、商業施設の集客や街づくりのイメージアップ、社員の福利厚生にも役立つと見込まれた。

 コナミスポーツの前身・ピープルを設立したのは、流通業のニチイ(後のマイカル)で、マイカルの経営破たん前にゲーム大手のコナミが引き受けた。他のフィットネスクラブの設立元も、以下の通り他業種の大手企業だ。

 ・ルネサンス     :大日本インキ化学工業
 ・ティップネス    :サントリー
 ・オージースポーツ  :大阪ガス
 ・メガロス      :野村不動産
 ・東急スポーツオアシス:東急不動産

 大手7社で大企業の設立でないのは、東京オリンピックに出場した競泳や体操の元選手が、スポーツ振興を目指して設立した2位のセントラルスポーツしかない。

 だが、80年代までに大企業が設立してきた無数のフィットネスクラブは、バブル経済が崩壊して経営のスリム化が必要になると、そのイメージとは裏腹にムダな「ぜい肉」事業扱いされるようになる。そのため、90年代から合併、買収、営業譲渡による業界再編が進んだ。

上位7社で市場の8割を占める寡占化

 1位のコナミスポーツは、ピープル時代から業界再編の主役で、セゾングループ、ヤマハ、東宝、サッポロビール、日産自動車、東京生命、住友金属工業、ダイエー、NTT西日本、日本生命、阪急電鉄など15社以上で設立されたフィットネスクラブ運営企業が合流している。3位のルネサンスもキッコーマン、帝人、三菱地所などが設立したクラブが合流し、4位のティップネスは、丸紅が設立したクラブを吸収合併している。その結果、上位7社で市場の8割以上を占める寡占化が進んでいった。

 業界の構造的な問題には、そんな「寄せ集めによる寡占化」の弊害もある。コナミスポーツはその最たるもので、プールだけの小施設から富裕層向け高級クラブまで揃っているものの、「寄せ集め組織」ならではの高コスト構造が、営業赤字の一因になっていた。

 それ以外に、どこでもサービスメニューは似たり寄ったりで差別化ができないという問題もある。ホットヨガやピラティスのような新鮮味のあるメニューを取り入れようとしても、指導者がなかなか見つからない。退会者が多く、その穴埋めに入会者を獲得するために多額の販促費用をかけるので、営業費用がかさみ、利益を圧迫するという問題もある。

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BusinessJournal編集部

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