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話題の外部招聘経営者、なぜ不振企業の再建に有効?成功/失敗する“条件”とは?

文=中沢光昭/経営コンサルタント

 
 にもかかわらず、大事なステークホルダーである新オーナーがほとんど状況をつかんでいなかったり、経営者がまったく他人の話を聞き入れなかったりすると、意思決定の暴走を生んでしまいPDCAが回らなくなります。そうした場合は残念ながら悪い方向に会社は流れていってしまいます。かといって新オーナーがどんどん介入してきて経営者のいないところで別の方針を語ったりしてしまうと、混乱の元になります。このさじ加減が難しいところではありますが、少なくとも完全に経営者にお任せしてほとんど関与してこない、関心を持たないというのは、良くない結果になりがちです。

 ステークホルダーが同じ方向を見て、ほど良い緊張感あるガバナンスが効き、外部招聘経営者特有の強みを活かしてPDCAを粘り強く続けられれば道は見えてくる。そうした道が見えていることもあり、不振状態の会社においては経営者が外部招聘であっても、いえ、あるほうが機能しやすいといえるでしょう。

 では次回は危機状態にない、健全な会社の場合について考えていきます。
(文=中沢光昭/経営コンサルタント)

中沢光昭/株式会社リヴァイタライゼーション代表

中沢光昭/株式会社リヴァイタライゼーション代表

企業再生コンサルタント兼プロ経営者。
東京大学大学院工学研究科を修了後、経営コンサルティング会社、投資ファンドで落下傘経営者としての企業再生に従事したのち、上場企業子会社代表を経て独立。雇われ経営者としてのべ15期以上全うし、業績を悪化させたのは1期のみ。
事業承継問題を抱えた事業会社を譲受け保有しつつ、企業再生とM&Aをメインとしたコンサルティングおよび課題内容・必要に応じて半常勤による直接運営・雇われ経営者も行う。シードステージのベンチャー企業への出資も行う。
株式会社リヴァイタライゼーション 代表・中沢光昭のプロフィール

Twitter:@mitsu_nakazawa

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