財務省が21日発表した7月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は6218億円の赤字だった。赤字は2カ月ぶり。円安の影響で原油などの輸入額が膨らみ、赤字幅は前年同月の約10倍となった。
輸入額は前年同月比16.6%増の10兆2410億円と、4カ月連続で増加した。商品別の内訳では、原油が12.7%増。米欧などからの医薬品は45.5%増、中国からのスマートフォンを中心とする通信機は47.1%増と大きく伸び、全体を押し上げた。
輸出額は10.3%増の9兆6192億円と、8カ月連続で増加した。輸出数量は落ち込んでいるものの、円安の影響で半導体を含む電子部品や自動車の輸出額が増加した。
国別の貿易収支は、対米国が自動車と車部品の増加で7686億円の黒字。対中国は6385億円の赤字だった。
7月の円相場は平均で1ドル=159円77銭と前年同月比で12.3%下落した。円安が輸入額と輸出額を押し上げ、いずれも7月としては最高となった。
◇7月の貿易統計
輸出額 輸入額 差引額
総 額 96,192 102,410 ▲6,218
(10.3) (16.6) (―)
〔主要貿易相手別の内訳〕
中 国 16,553 22,938 ▲6,385
(7.2) (20.8) (―)
米 国 19,220 11,534 7,686
(7.3) (21.9) (▲9.0)
E U 8,970 10,731 ▲1,761
(▲5.3) (10.8) (―)
(注)通関ベース。単位億円、億円未満四捨五入。カッコ内は前年同月比増減率%。▲は赤字または減。―は比較できず
(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2024/08/21-12:06)