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2023.05.19 22:56
2015.06.03 00:08
山本康博「なぜあの商品はヒットしたのか/しないのか」
相次ぐ「バカ売れ」による販売休止や欠品、意図的な品薄商法はあり得る?なぜ起こる?
販売予測は不可能?
メーカー側にとって限定商品の最も怖い部分は、長期間販売できないので在庫の管理調整が非常に難しいという点です。購入者は新規トライアル、つまり「面白いからネタとして一度買ってみよう」という人がほとんどであり、当然何年も買い続けようと思う顧客は少ないのです。
限定商品の販売手法として優れているのは、飲料水の「エビアン」でよく利用される限定デザイン戦略です。商品自体の中身は変わらないですが、面白さやブランド想起につながります。コカ・コーラもラベルに名前を印刷して消費者に探させたり、面白い戦略で話題喚起をして注目度を高めています。ちなみに、中身を変えるわけではないので、リスクも小さい戦略といえます。
限定商品で最悪なのは、トライアル需要だけが一気にきて在庫がパンクすることです。限定商品に限らず、新商品開発では初期在庫や発売当初の生産調整、在庫管理は必ずついて回る頭の痛い悩みです。
筆者自身も何度か、新商品の反響がありすぎて発売前に受注欠品、発売後でもすぐ欠品という実体験をしています。需給バランスを調査し、購入意向やリピート率などに基づき綿密に販売予想を立てますが、なかなかうまくいきません。将来を確実に予測できればブランドマネージャーは苦労せずに済みますが、現実的には調査結果と実際の売り場での顧客反応が違うことで本当に苦労します。
一消費者としては、限定商品には興味をそそられて買いたくなる気持ちは理解できますが、欠品を発生させないようにするのはまさにメーカー担当者の腕次第といえます。
(文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役)
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