梅雨、そして夏と、汗をかく季節で気になってくるのが「体臭」。ボディケアや体質改善などでニオイ対策をするビジネスパーソンも多いが、見逃してしまいがちなのが、体ではなく「服」そのものから漂ってくる悪臭だ。
服がニオってしまう原因は、きちんと洗濯ができていないことにある。そこで、ぜひ押さえておきたい洗剤の基本的な使い方や、染みついてしまった衣類のニオイをリセットする洗濯法を、大阪府のクリーニング店「クリーニングビー」店主の壁下陽一さんに聞いた。
悪臭は「洗濯槽の汚れ」が原因の場合も
「服が臭い」と感じるのは、どんな場面だろうか。たとえば、運動で汗をかいた後や、雨の日に湿気がムワッと立ち込める満員電車に乗ったときなどは、体から漂ってきているのか、服にため込んだニオイなのかどうか判断がつきにくい。
「洗濯した後の服のニオイを嗅いでみると、服自体のニオイなのかどうかがわかりやすいです。ご家庭で『加齢臭が移るから一緒に洗濯しないで』なんて悲しいことを言われるお父さんもいるかと思いますが、それは濡れ衣かもしれませんよ。洗った直後なのに臭い場合、ニオイの原因としてまず疑うべきなのは『洗濯槽の汚れ』です」(壁下さん)
壁下さんの家庭では、年に1回の頻度で洗濯槽の手入れをするそうだ。その際、必ずしも洗濯槽クリーナーを使う必要はないという。
「いろいろな種類の洗濯槽クリーナーが売られていますが、その成分は洗濯用の漂白剤とほぼ一緒なので、わざわざ高額な洗濯槽クリーナーを選ぶ必要はないです。個人的には、セブン-イレブンのプライベートブランドの液体酸素系漂白剤が詰め替え用で100円未満とコスパが良くておすすめ。洗濯槽に40~50℃の温水を張り、液体酸素系漂白剤を1本入れて40分間ほど回せば、洗濯槽のケアはバッチリです」(同)
また、洗濯で服のニオイをリセットする場合も、温水と液体酸素系漂白剤の組み合わせが効果的だという。
「ニオイが染みついた服を洗濯するときは、沸騰したお湯を洗面器やバケツに張って、手洗い時の規定量の洗剤と液体酸素系漂白剤を入れて漬けておくといいでしょう。さらに、日々の洗濯で洗剤と液体酸素系漂白剤の両方を使う習慣をつければ、服にニオイが蓄積されにくくなるし、洗濯槽の汚れ予防にもなりますよ」(同)
良い香りをつけてふんわり仕上げてくれる柔軟剤については、たっぷり使えば良いわけではないという。
「海外製の柔軟剤は香りが強いものが多く、体臭と混ざると、逆にキツいニオイを放つ場合があります。柔軟剤を使い慣れていない人は、香り付けよりも消臭効果を重視して柔軟剤を選び、少量から試していくのがいいと思います」(同)
梅雨時の洗濯で気をつけるべきポイント
洗濯の頻度は家庭によってまちまちだ。単身者の場合は2、3日に1回、週1回と、まとめ洗いをする人も多いだろう。夏場はこまめに洗濯したほうがいいとはわかっていても、現実は難しい。
「毎日洗濯するのが理想的ですが、それよりも『洗ったらすぐに干す』ことを意識しましょう。洗い上がった洗濯物を放置していると、雑菌が増えたり洗濯槽のニオイ移りの原因になったりします」(同)