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養殖魚、日本産でも違法薬物まみれ?中国産は異常な高濃度、人体に悪影響

文=郡司和夫/食品ジャーナリスト
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 フラゾリドンはニトロフラン系の合成抗菌剤で、1974年に発がん性、遺伝毒性を有するため使用禁止になった食品添加物である殺菌剤フリールブラマイド(AF2)の仲間。動物用医薬品として細菌性感染症の治療に用いられるが、世界的に食用動物への使用は禁止されている。当然、食品から検出されれば食品衛生法違反になる。10年ほど前に、輸入粉卵からフラゾリドンの代謝物であるセミカルバジド(SEM)が検出されて大きな問題になったが、国内で食品中からフラゾリドンが検出されたのは、それ以来のことである。

高濃度で使用されている中国産の水産物

 エンロフロキサシンは耐性菌を生じることが確認されており、05年に米国は鶏への使用を禁止にしたほか、EUでは養殖水産動物への使用は認められていない。人が大量に摂取すると、悪心、嘔吐、下痢症状が出るほか、中枢神経にも影響を及ぼすとされている。

 これまで、中国産養殖うなぎ、中国産鮮魚のイシモチ、ベトナム産エビなどから検出された経緯があるが、数年前から中国産水産物から異常な高濃度で検出され始めた。

 たとえば、12年に横浜港の輸入検疫で、中国から輸入された鮮魚のイシモチからエンロフロキサシンが1.44ppmという高濃度で検出された。それまでは、検出されても0.1ppm以下であった。検出されればそれだけで食品衛生法違反になることに変わりはないが、濃度があまりにも違いすぎるのだ。中国の水産物製造現場で何か大きな変化が起こっている。

 水質汚染のさらなる悪化によって魚の病気が深刻化し、抗菌剤を大量に使わないと出荷まで魚が生存できないため、世界中で使用禁止になっている合成抗菌剤を中国では広範囲に使っているのだろう。

 こうしたことから、私は中国産の水産物は食べず、国産のものを食べるよう胆に銘じていた。

 ところが、岐阜県の違法抗菌剤使用の養殖アユの出現で、日本の養殖魚も中国産と大差ないことにがっくりとしてしまった。ある関西方面の養殖現場では、相変わらず生殖機能に悪影響を与えるとして世界的に使用が禁止されている有機スズ(TBTO)が、生簀網の汚れ防止剤として使用されているという情報もある。
(文=郡司和夫/食品ジャーナリスト)

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