ふと立ち寄ったコーヒーチェーン店で甘いものが欲しくなり、思わずスイーツを頼んでしまったという経験を持つ人は多いだろう。コーヒーチェーン店のスイーツはサイドメニューであるため味はそれなりだと思われがちだが、近年はレベルが上がっており、なかにはコーヒーとの相性を計算し尽くされた一品もあるという。
そこで、コーヒーチェーン店を中心に累計5000回以上カフェに通ってきたコーヒーチェーンマニアであり、コーヒーチェーンの魅力を伝えるサイト「Enjoy Cafe!」を運営する「カフェなが」さんに、コーヒーチェーン店のお値打ちスイーツ5つを厳選してもらった(価格は税別)。
ドトール ソフトクッキー チョコチップ/140円
ドトールは2019年8月末時点で全国1106店と、コーヒーチェーンのなかでトップの店舗数を誇り、価格もお手頃。まさに庶民の味方といえるコーヒーチェーンだが、そんなドトールでイチオシのスイーツは、レジ横に置いてある「ソフトクッキー チョコチップ」だ。
「見慣れたクッキーはスルーしてしまいがちですが、これは普通のサクサクしたタイプではなく、クッキーとケーキの間をいくような“フワサクしっとり食感”で、なんといってもコーヒーとの相性が最強! これぞ、コーヒー屋さんだからこそつくれるスイーツだと思います」(カフェながさん)
ソフトクッキーだけを食べると甘みを強く感じるが、コーヒーと合わせるとバランスが抜群になるという。小腹が空いたときに素早く糖分をチャージでき、仕事の打ち合わせ前や考え事をしたいときに活躍してくれる。手軽で即効性の高いスイーツという評価だ。
スターバックス アメリカンワッフル/250円
「アメリカンワッフル」は価格帯が高めなスタバのメニューのなかでも比較的お手頃でコストパフォーマンスが良いスイーツだ。カフェながさんいわく、スタバのワッフルは「モーニングタイムに食べるのがおすすめ」とのこと。
「朝のスタバは心に余裕を持った佇まいのお客さんが多い印象があり、ゆったりとした時間が流れています。そこで、ナイフとフォークでうやうやしく切り分けてワッフルを頬張り、コーヒーをすすれば体がシャキッとしてくる。なんとも心地良い時間です。日差しが差し込む窓際の席で、朝の始まりの雰囲気とともに味わうのも一興です」(同)
ワッフル自体の甘さは控えめで、無料でチョコソースとキャラメルソースが、さらにプラス30円で生クリームのトッピングが可能。温めて提供されるホカホカのワッフルは香ばしく、生クリームを乗せれば、しっとり優しい食感とさっぱりとした甘みが口の中に広がる。スタバらしい苦味のあるコーヒーとの相性も至高で、この組み合わせなら甘いものが得意でない人も楽しめるだろう。
プロント ブリュレinバウム/単品390円、ドリンクセット570円
プロントといえば、昼はカフェ、夜はバーの顔を持つハイブリッドなコーヒーチェーン。パスタなどのフードメニューが充実しているイメージがあるが、店と同様にハイブリッドなぜいたくスイーツがある。「ブリュレinバウム」は、バウムクーヘンの真ん中の穴にクレームブリュレを入れ、表面をキャラメリゼしたスイーツ。単品価格は390円、セットにすると570円と、かなりお得感がある。
「キャラメリゼ(焦がし)加減が一つひとつ違っているので、ショーケースの中から自分好みの1個を選ぶのも楽しみのひとつ。ぜいたくでありながら親しみやすさもあり、店のカジュアルな雰囲気のなか、肩の力を抜いて堪能できます。ホットコーヒーも適度な苦みで合いますが、個人的にはカフェラテと合わせるのもオススメです」(同)
外側のふかふかしたバウムクーヘンに、中心部の濃厚なクレームブリュレのキャラメリゼ部分がほろ苦く、表面のシャリシャリした食感も心地良い。しっかり甘くて量があり、「今日は思う存分、甘いものを食べたい」という欲求にぴったりのスイーツだ。
上島珈琲店 ジャマイカンラムボール/280円
上島珈琲店は「和風モダニズム」をコンセプトに古き良き喫茶店を再現しており、店内には落ち着いた雰囲気が漂う。それはドリンクやフードも例外ではなく、今回紹介するスイーツにも「上島らしさ」が表れている。
「『ジャマイカンラムボール』は、ラム酒・スポンジ・レーズン・いちじくが配合された舌触りなめらかな生地の表面をチョコレートでコーティングしたもの。真ん丸の斬新なフォルムなのですが、不思議と上品さを纏っていて、紳士が嗜むスイーツというイメージ。しっぽりとした雰囲気に浸りたいときや落ち着きたいときには、うってつけのチョイスです」(同)
フォークですくって食べてみると、フワッとラム酒の香りが鼻に抜け、濃厚で複雑な甘みのなかにラズベリーの甘酸っぱさが絶妙なアクセントとなっている。小ぶりでユニークな見た目からは想像できないほど、満足感のある1粒だ。公式サイトではネルドリップコーヒーとの組み合わせを推奨しており、カフェながさんも「丁寧な雰囲気がマッチしている」と同意する。
珈琲館 炭火珈琲ゼリーのシンフォニー/680円
老舗チェーンの珈琲館では、少しレトロ感のある「炭火珈琲ゼリーのシンフォニー」がおすすめ。一度はメニューから消えてしまったが、ファンの要望を受けて2016年に復活して以来、人気スイーツとして定着している。
ほかのコーヒーチェーンの珈琲ゼリーと一線を画しているポイントは、その名の通り「炭火」。豆を炭火で炒ると苦みが増すといわれており、その炭火珈琲を濃いめに抽出してつくられている炭火珈琲ゼリーは男性受けも良いという。