インフルエンザ予防接種、迷ったときに読む記事…“こういう人”は絶対に受けるべき理由
「冬に向けて、インフルエンザの予防接種でも受けておこうかな」なんて思っている方がいらっしゃるかと思います。昨シーズンではワクチン不足が起こりましたが、「本当に効くの?」と否定的になったり、いざ足りなくなると「欲しい!」となったりするのがこのワクチンというものです。そこで、まずインフルエンザに関する基本的な知識について押さえておきましょう。
インフルエンザの種類
インフルエンザウイルスにはA、B、Cの3つの型があります。「Cもあるの?」と驚かれたかと思います。流行するのはA型とB型なので、実際にはこの2つを注意していれば問題ありません。
A型、B型ウイルス表面には赤血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA)という糖タンパクがあります。サッカーのスパイクのように突起が付いていると考えてください。A型インフルエンザの場合、HAには15種類の亜種があり、NAには9種類の亜種があります。これらを組み合わせると15×9=135通りのA型ウイルスができます。「H1N1」や「H3N2」といった言葉をニュースで聞くことがあると思います。たとえば「H1N1」なら、HAが1番の型、NAが1番の型というウイルスであるという意味です。しかし、これらの亜種も突然変異によって変化をします。今までなかった種類のウイルスができてしまうと、それが大流行につながります。
インフルエンザワクチンのつくり方
ワクチンをつくるためにはニワトリの卵を使います。安全性を確保するために、雛鳥を用意して、それを十分に管理された場所で大人になるまで育てます。大人になったニワトリが産んだ卵を消毒し、一定の品質を満たすものをワクチン用に使います。そこにインフルエンザウイルスを入れて感染させた状態で2~3日間育てていきます。その後、冷却して培養を止め、ウイルスを遠心分離により濃縮精製し、ウイルスを取り出し不活化作業を行います。不活化とは、病原性を消し抗原性を残すという作業です。そうすることで病気を発症することなく、私たちはそれに対する抗体をつくりだすことができます。規定の濃度に調製したA型2種類とB型2種類を混合し、これがワクチンとなるのです。この組み合わせによって、どの型のウイルスに効くのかが決まります。
ちなみにニワトリの卵を使ってウイルスを増やしていくため、卵アレルギーの人は注意が必要です。