“テレワーク疲れ”を劇的に解消、夏の入浴法…3割の人がやっているNG行為とは?
長引いた梅雨のあとの猛暑で、仕事のパフォーマンスを下げている方が多く出ていることと思います。
そこで今回は、夏に特化した“パフォーマンスを回復する入浴法”をご紹介します。ちなみに筆者は「バスリエ」というお風呂のソムリエ資格を持っており、さまざまなケースに対応できる入浴法を学んできました。夏の入浴法を紹介する前に、少しだけ「入浴」と「シャワー」についてお話しさせてください。
お風呂の研究を20年以上されている東京都市大学の早坂信哉教授の研究によると、毎日お風呂に入る人は、毎日お風呂に入らない人に比べて、幸福度が高い人の割合が10%も高かったそうです(2012年6000人調査)。
また全国18市町村1万4000人の高齢者について調査したところ、毎日入浴される高齢者は、3年後の要介護リスクが29%低いことがわかりました。どうやら基本的に毎日入浴するほうが良さそうです。
さらに、入浴とシャワーを直接比較した千葉大学の実験では、シャワーが「精神疲労」「筋肉疲労」に関する数値に回復効果がなかったのに対し、入浴はどちらに対しても回復効果が認められています。
お風呂にスマホを持ち込まない
入浴の基本的な話はこれくらいにして、夏の疲れに特化した入浴法の話に戻しましょう。
まず、夏の過ごし方の特徴として、睡眠時間が短く活動時間が長いことが挙げられます。夏は冬に比べて30分ほど睡眠時間が短くなります。また、夜が快適なために夜の活動も増える傾向にあります。
自律神経は、緊張する交感神経とリラックスする副交感神経の2種類で構成されていますが、現代社会では常に仕事、プライベートを問わず、インターネットにつながっているので、なかなか副交感神経を優位にすることが難しくなっています。
また自律神経の特性として、緊張の交感神経は0.2秒でスイッチが入るのに対して、リラックスの副交感神経のスイッチが入るのに5分かかるといわれています。
ですから入浴は、副交感神経のスイッチを入れリラックスするもっとも有効な手段なのです。
そして今回必ず覚えていただきたいのが、「お湯の温度」です。先ほどお風呂はリラックスに最適と述べましたが、実はお湯の温度によっては、交感神経のスイッチも入れてしまいます。ちなみに、そのスイッチの分岐温度は40度(多少の個人差あり)です。
ですから、リラックスをメインにする夏の入浴では、その分岐温度よりさらに低い、38度で入ることをお勧めします。
またマーケティングリサーチ会社・アスマークのアンケートによると、3割近くの方がお風呂でスマートフォンを使うそうなのですが、リラックスのためにも風呂ではスマホを控えてください。回復効果が増すことうけあいです。
最後に少しハードルが上がりますが、浴室の照明を消して、着替え室の照明だけで入られると、ものすごいリラックス効果が期待できます。今まで多くのビジネスパーソンの回復をサポートしてきましたが、この方法を試した9割以上の方が効果を実感し、その後も継続しています(当社調べ)。
というわけで、夏はシャワーで済まさずに、ぜひ工夫して快適な入浴で疲れを回復してください。
(文=角谷リョウ/パフォーマンスコーチ)