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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

メチャメチャ痛い痛風が30代で激増!食べ過ぎ飲み過ぎは超危険

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

 私の友人で、私が「イワシは体にいいから積極的に食べたほうがいい」と言ったがために、せっせとイワシの缶詰を毎日2缶以上食べ続けた人物がいます。その彼がある日、体調がおかしいので検査を受けたところ、尿酸値が異常に高くなっていました。幸い痛風は発症していませんでしたが、そのままイワシの缶詰を食べ続けていたらどうなっていたかわかりません。いくら良いものでも、限度があります。イワシはいろいろな意味で優秀な食材なので、積極的に食べてほしいですが、毎日大量に食べるべきではありません。しかも缶詰では、イワシの効果効能も期待できないでしょう。

徐々に進行し、突然発症する痛風の恐怖

ビールが痛風の原因になる」とよくいわれますが、最近はビールだけではなくアルコールそのものが痛風の原因となることもわかってきました。適度なお酒は、食欲を増進させて食事もおいしくなり、リラックス効果もあるので、まさに「百薬の長」といえますが、「過ぎたるは及ばざるがごとし」ともいいます。

 痛風は男性に多い病気だといわれます。患者数の男女比を見てみると、男性が98.5%ですから、確かにそのとおりですが、最近は女性の痛風が増えていることも事実です。基本的に、女性ホルモンの一種であるエストロゲンが、尿酸を増やさないように働きかけるため、女性は痛風患者が少ないと考えられていますが、そのエストロゲンの働きを上回るほどの尿酸が体内でつくられているのかもしれません。

 痛風になるということは、体が炎症を起こしている状態になるということです。すると、体はそれに対抗するために、副腎でコルチゾールというホルモンをつくりだします。コルチゾールは、強い抗炎症作用を持っていますが、長くつくり続ければ副腎は疲労してしまいます。そうなると、さまざまな症状が嵐のように襲ってくるのです。痛風だけではなく、現代人は体の中に炎症を起こしやすい食事内容になっています。まずは、それを正すことが急務といえます。

 痛風は、ある日突然起きるといわれますが、その背景には、長い期間にわたる悪しき食習慣があります。つまり、急に通風にかかるのではなく、徐々にサイレントで進行し、痛みという症状がある日突然出てくるのです。お正月に食べ過ぎた、飲み過ぎたという自覚をお持ちの方は、肉食過多、野菜不足の食生活を切り替えるチャンスと考えていただきたいものです。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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