【人類に朗報】超画期的な高血圧治療薬が誕生間近…「飲み続ける」降圧剤から解放
厚生労働省「国民医療費の概況」によると2014年度の国民医療費は、前年比1.9%増の40兆8071億円で、人口ひとり当たりにすると32万1100円です。このうち高血圧性疾患の医療費は1兆8513億円で、年代別にみると65歳以上で1兆4319億円、70歳以上で1兆1950億円、75歳以上で9227億円と、65歳以上が占める割合が多い状況にあります。
高血圧治療のすべてを高血圧ワクチンに代替することはできませんが、大幅に医療費を軽減できることは期待できるでしょう。
高血圧ワクチン実用化で危惧される点
その効果と医療費への貢献から、期待が高まっている高血圧ワクチンですが、副作用などのデメリットがある可能性もあることを忘れてはいけません。筆者がもっとも危惧する点は、高血圧ワクチンが自己免疫疾患を引き起こす可能性です。自己免疫疾患とは、免疫システムが正常に機能しなくなくなり、自分の体を攻撃してしまう状態に陷いることをいいます。自己免疫疾患には全身性と臓器特異性がありますが、どのような疾患を引き起こすか予測できないうえ、難病といわれるものが多く、治療は簡単ではありません。高血圧ワクチンの副作用については、今後の治験の結果を見守りたいところです。
私たちは、医療費の問題は高齢化だけが原因でないことを認識すべきです。各自が生活習慣を見直すことで、高血圧にとどまらず多くの生活習慣病を回避できます。栄養バランスの取れた食生活、適度な運動、十分な睡眠を心がけ、自分の健康維持だけでなく医療費の削減にも貢献したいものです。
(文=吉澤恵理/薬剤師)