良かれと思って行っている食習慣。実は食事制限をするよりも、あえてプラスONすることで、健康食に近づけられることもあります。今回は、ひと手間プラスすることで簡単に健康食をつくる方法をご紹介いたします。
ラーメン
ラーメンというと糖質や脂質、塩分が多く、美味しいけれど、あまり健康的なイメージはないですよね。とくに、たんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維が不足しやすいのが心配なところ。そんなときは、トッピングをプラスして、全体のバランスを整えましょう。
例えば、たんぱく質の補給。冷凍のシーフードミックスやサラダチキン、ゆで卵、サバ缶、ツナ缶、豆腐などを加えれば、手軽にたんぱく質を補うことができます。さらに、ビタミン、ミネラル、食物繊維の不足に対しては、カット野菜をプラスすることで、しっかりと補給することができますよ。さらには、トッピングした具材から食べることで、血糖値の上昇がゆるやかになります。その結果、脂肪の蓄積を防ぎ、ダイエットにもつながります。
ラーメン店さんでは、チャーシューやゆで卵、もやしやわかめ、メンマなどをトッピングして食べるといいですね。
生野菜サラダ
健康のことを考えて、オイルドレッシングを控えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。サラダを食べても、すぐにお腹がすいてしまいませんか。そんなときは、思いきってオイルドレッシングをかけましょう。ドレッシングに多く含まれる、悪者にされがちな脂質。実は、脂質は胃の中に長く停滞するため、腹持ちをよくしてくれるのです。そして、脂質を摂ることで、あとから食べるご飯やパン、麺などの炭水化物の吸収を穏やかにし、血糖値の急上昇を避けることができます。
また、にんじんやかぼちゃ、ほうれん草などの緑黄色野菜に豊富なβカロテンや、トマトに多く含まれるリコピンは、脂質といっしょに摂ることで、効率よく体の中に吸収することができます。オイルドレッシングをかけることで、腹持ちが良くなるだけでなく吸収率もアップし、一石二鳥ですよね。
みそ汁
塩分が気になるみそ汁。単に飲む量を減らしたり、味噌を減らすのではなく、具材を増やしましょう。具材たっぷりにすることによって汁の量が少なくなり、物足りなさを感じることなく、減塩ができます。また、食物繊維やカリウムの多い海藻類や野菜をプラスすることで、塩分の吸収を妨げたり、排出を促してくれます。緑黄色野菜やいも類、海藻類や大豆製品などがおすすめです。そのほか、塩分を減らすためには、調理の際に、だしをしっかりとることもポイントです。
食べたいものを我慢して食事制限をするよりも、プラスONすることで、逆に良い効果が期待できますよ。どれも簡単に実践できるものばかりですので、ぜひ試してみてくださいね。
(文=望月理恵子/健康検定協会理事長、管理栄養士)