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「教育熱心な親」が子どもを壊す?お菓子・キャラクター禁止の危険な落とし穴

文=中村未来/清談社
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「ゲームや洋服に関しても似たようなところがあります。ゲーム禁止の家庭で育った子どもが、ゲームのある友達の家に入り浸って夢中で遊びまくる、親の好みの洋服を押しつけられた子どもが、その反動でとんでもなく派手なファッションをするようになる……。こういうケースは、実際にあります。教育方針にこだわるあまり、子どもの意思を抑え込むのは、かえって逆効果になることもあるのです」(同)

 ただし、熱心すぎる教育をしたからといって、すべての子どもが前述のようなことになるとは限らない。重要なのは、極端に走らないこと、個々の性格などを踏まえ、子ども一人ひとりに合った教育をすることだという。

「お菓子を禁止されて育った子どもが、そのままお菓子に興味を示さずに育つこともありますし、ゲームに関心を持たずに大人になる子どももいます。『禁止すること=ストレス』とは一概に言えません。個人差があるということも、知っておくべきでしょう」(同)

森友学園の「教育勅語暗唱」に意外なメリットも

 教育に熱心すぎる親たちには、子どもが小さいうちから英才教育の塾に通わせたり、自宅学習をさせたりする人も少なくない。それ自体が悪いわけではないが、気をつけないと、そこにも「落とし穴がある」と立石氏は言う。

「基本的に、脳の成長が著しい幼児期に塾で英才教育を受けるなど、さまざまな刺激を与えるのはいいことだと思っています。ただ、塾で習ったことを親が何度もテストしたり、ほかの子と比較して『どうしてこれができないの! もっとがんばりなさい』と子どもを引っ張り回したりすると、子どもにストレスを与えることになります」(同)

 幼児教育において重要なのは、何よりも「子どもが自発的に楽しむこと」だという。親だけが夢中になっていて、肝心の子どもが嫌がっていては、意味がないのだ。そして、実は森友学園の幼稚園で行われていた「教育勅語の暗唱」も、必ずしも悪いことばかりではないようだ。

「子どもに偏った思想を押しつけることには、もちろん問題があります。その一方、子どもに論語や俳句などの古典を読ませる幼稚園も少なくありません。そう聞くと、『そんな難しいものを読ませるのはかわいそうだ』と思うかもしれませんが、論語や俳句には現代の日常会話にはないリズムがあり、子どもたちも大喜びで暗唱します。また、美しい日本語の土台をつくるのにも役立ちます。頭から古典の暗唱を否定するのではなく、子どもが楽しめるかどうかで判断すべきだと思います」(同)

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