慢性的な睡眠不足は仕事のパフォーマンスを下げるだけでなく、健康を害する悪しき習慣といわれている。特に今年の夏は熱帯夜が続いたので、秋になっても“睡眠負債”が完済できていない人も多いだろう。そんな人にピッタリなのが、睡眠改善に特化した小型家電だ。睡眠をサポートする便利な家電がたくさんあるのだが、中には快眠アイテムとは名ばかりのお粗末な商品も市場に出回っている。
そこで今回は、700万点以上の家電や雑貨を販売する「ヨドバシ.com」で見つけた“買ったら損する”快眠アイテムを紹介する。
ゼンケン 電気掛敷オーガニックコットン毛布/2万350円
これから寒さが厳しくなり、電気毛布が手放せないという人もいるはず。オーガニックコットンを使用したゼンケンの電気毛布は一般的な電気毛布より値段が張るものの、素材にこだわる人に人気の寝具だ。ただ、バージョンアップ時に搭載された「切り忘れタイマー」が曲者らしく、誤ってタイマーを入れてしまい、切るつもりもないのにオフになっていた例があるそう。メーカーの気遣いが仇になってしまった形だ。
実は、ゼンケンの商品に限らず、電気毛布の使用そのものに懐疑的な意見もある。電気毛布で寝床を温めすぎると体が休息モードに入らずに、睡眠の質が下がるといわれているのだ。電気毛布ユーザーは使用自体を見直す必要があるのかもしれない。
タニタ 睡眠計 スリープスキャン/4万7610円
自分の睡眠の質や状態をチェックする「睡眠計」は、睡眠不足解消の第一歩として注目されている。このタニタのスリープスキャンも睡眠計だが、高額なため購入者が少ないのか口コミは少なく、その少ない口コミも酷評が書き込まれている状況だ。
使用方法は、本体をWi-Fiに接続して敷布団の下に敷き、普通に眠るだけ。眠っている間に、マットに搭載された高精度の体動センサーが睡眠の深さを測定する。測定結果はタニタの健康管理サイト「からだカルテ」(要事前登録)に送られ、ユーザーの睡眠タイプ判定や改善策を示してくれるという。眠るだけなので操作は簡単そうだが、肝心の睡眠計としての精度や「からだカルテ」の睡眠判定に難があるという声も。5万円前後という価格に見合うかどうか、判断が分かれそうな商品だ。
フィリップス SmartSleep ディープスリープ ヘッドバンド/4万3780円
SmartSleepは、ウエアラブルなヘッドバンドと専用アプリ「SleepMapper」をブルートゥースで接続し、睡眠時に頭に装着すると脳波や睡眠スコアを測定してくれるというもの。使用中は眠りが深いタイミングを検出して、ヘッドバンド内蔵のスピーカーから「オーディオトーン」と呼ばれる音を発生させ、深い睡眠を持続させるという快眠アイテムだ。
何やら近未来感のあるビジュアルだが、装着が面倒だったり、ヘッドバンドをつけて眠る生活に慣れないと眠りが浅くなったりするケースもあるそう。そもそも、眠りが深くない人にはオーディオトーンが作動しないという欠点も。
一方で、深く眠れて日中の眠気を感じなくなった、という肯定的な意見もあるので、個人差が大きすぎる商品なのかもしれない。
スノアサークル EMSパッドいびきストッパー/1万6500円
深夜の騒音でもある“いびき”は、一緒に眠るパートナーにも迷惑がかかる悪癖。スノアサークルEMSパッドは、あごにパッドを装着して眠るだけでいびきを軽減するというアイテムだ。喉の筋肉にEMS低周波で刺激を与えて気道を開くサポートをしながら、いびきを軽減するという。
一般的ないびき防止アイテムは、あごや喉をガッチリ固定するものが多いが、スノアサークルはスイッチを入れてあごに貼るだけ。最大のメリットは装着の簡単さだが、本体を貼り付けた部分の肌が荒れたり、朝には外れていたりと、装着感の不満が上がっている。また、EMS低周波の刺激が強すぎて何度も目が覚めてしまうという意見もある。目新しさはあるものの、実用性は期待できないかもしれない。
サウンドオアシス illumy01/1万5200円
光目覚まし機能付きのアイマスク、イルミー。入眠前は“日没の夕焼け”をイメージした「サンセットモード」でリラックスして、朝は日の出と青空を再現した「サンライズモード」でさわやかな起床を促してくれる。飛行機で使えば時差ボケ対策になるなど、使用シーンは広い。
しかし、最大の特徴である光が弱すぎる、という指摘が多数ある。また、朝になるとアイマスクが外れていて意味がなかった、という声も。なかなか期待通りの結果は得られないようだ。
今回は比較的高額な商品が出揃ったが、快眠アイテムに限らず、高額商品は価格の分だけ期待値が上がるので、消費者の目がシビアになるのも仕方がないといえる。ただ“睡眠の質”は個人差が大きいので、本稿で紹介した商品との相性が良い読者もいるかもしれない。
ヨドバシ.comでは、不定期に「数量限定SALE」を開催している。早いもの勝ちだが、気になっていた高額快眠アイテムが格安で手に入る可能性もある。失敗するかもしれないアイテムも、せめて安く買った方がショックは少ないはずだ。
(文=清談社)