必要な書類が“秒”で見つかるファイリング術&便利アイテム!まず全部集めて要不要を判断
必要な書類を半日以上さがしてしまう悲しさ…
保険の証書、家電の取扱説明書や保証書、携帯電話の契約書や請求書など、家の中にはさまざまな書類があるものです。みなさんはどのように保管されているでしょうか?
部屋のあちこちにそのような書類がバラバラと置かれていると、ある書類が必要になった時に見つけるまでに時間がかかったりしませんか? 必要な時に、探す時間ほど「もったいない」時間はありません。
私が片づけが苦手だった時の話です。家の修理を行う際に保険を使って直そうと考えた時がありました。自分が入っている保険の契約内容を把握していなかったため、急いで家の中を探し回りました。結局見つけるまでに半日以上もかけてしまったのです。
使う頻度は少ないのに、使う時はすぐに探し出したい……。次回こそは、きちんとわかるようにしておこうと反省ばかり。必要な書類がすぐに探せたら「どんなに楽なんだろう」といつも思いながら過ごしていたわけです。
このような状況を変えるには、ファイリングを正しく理解する必要があります。
そもそも「ファイルする」と「ファイリング」の違い知っていますか?
まずは「ファイルする」と「ファイリング」の違いを知りましょう。書類の正しい整理は、この2つの言葉の意味を正しく理解することから始まります。
<ファイルするとは>
フォルダなどに紙を綴じこんでおくだけ。分類などはあまりせず、目の前にある書類をクリアケースやリングファイルなどに入れて綴じこんでいるだけのこと。
<ファイリングとは>
書類がつくられてから捨てるまでの流れを考えて探しやすく捨てやすくファイルすること。ファイリングシステムともいう。
この2つの言葉の意味は、まったく違うのがわかりますね。以前の私は、書類を整理する上でこれら2つの言葉の意味を理解していませんでした。そのせいで家や会社の中で書類が溢れていたのだと、やっと理解することができました。
私がしていたことは「ファイル」だったのです。整理していたつもりでも、ただ綴じこむだけの行為をずっとしていました。
きちんとファイリングを理解して、それを実践することで劇的に書類が見つけやすくなりました。今では、家族全員、必要な書類を秒で取り出すことができますよ。
それでは、我が家のホームファイリングを例に、必要な書類が秒で探せるファイリグを紹介します。
ファイリングの手順
(1)部屋中にある、書類と思われるものを、すべてまとめてみましょう。
書類とは、簡単にいうと何かが記載されている紙です。チラシやパンフレット、手紙、取説、保証書、証券、領収書、メモなど、部屋にはさまざまな書類が散らかっています。これらをまとめることがファイリングのスタートです。
(2)まとめた書類を、要不要にわける。
ここが一番大変なところです。一枚ずつ確認して要不要の判断を行う根気のいる作業です。間違って大切な書類を処分してしまわないようにしましょう。参考までにすぐに手放せそうな書類をお伝えしておきます。
・DM、自分に不要なチラシ、デリバリーのメニューなど。前に届いたものを見る前に新しいものが届いてしまう方や、スマホのメルマガやネットで情報を収集される方は紙の媒体のチラシは処分しやすいと思います。
・毎年送られてくる保険の契約内容更新の確認など。何年分も貯めこんで、今の自分がどちらの保険がわからなくなっている方をよくみかけます。このような保管しておきたい書類も、新しく送られてきたら前年度のモノを処分し、現年度のモノと入れ替えましょう。
(3)残った書類を下記の分類ツリーをもとに分類していきます。
例として取扱説明書で説明します。
図では、リビングのみ小分類まで記載していますが、残りのキッチンや洗面所もご自分の家に合わせて作成してみてください。例えば、トイレに取扱説明書が付属する機器がない場合は、中分類のトイレのタイトルをつくらなくてもOK。あくまでも自分の家に合わせて作成しましょう。
この分類は、頭の中で考えるだけではなく、このように書き出してから実際の分類をすることをオススメします。
(4)分類ごとに分けたら収納します。
ファイリングには、横型のバーチカルファイリングを使う手法と縦型の簿冊式ファイリングを使う手法があります。どちらの手法を選ぶかは、家庭ならば書類を管理する方の好みでいいと思います。これからお伝えするそれぞれのメリット、デメリットを踏まえ皆で決めてください(職場でファイリングをする場合は、自分一人で決めてはいけません)。
それでは、実際に横型のバーチカルと簿冊のリングファイルをご覧いただきます。横型のバーチカルファイリング手法は、大きな横型のBOXを仕切りで区切って整理する手法です。
横型のバーチカルを採用される場合は、横型のBox以外に個別フォルダ(小分類を挟み込むもの)を別売りで購入して使います。
メリットは、挟んであるだけなので、捨てる時に楽。デメリットは、挟まれているだけなので書類が紛失する可能性があります。
簿冊式ファイリングとは、よくオフィスで見る、穴あけパンチで穴を開けた資料を閉じるファイルです。
メリットは、書類が綴じこまれているのでバラバラにならないこと。デメリットが捨てにくく、場所をとること。両方のメリットデメリットを考えて選んでみてください。
それでは、我が家の取扱説明書のファイリングをご紹介します。我が家の取扱説明書は横型のバーチカルファイリング手法で収納しています。大分類の「取扱説明書」のタイトルは箱につけています。箱全の中全てが取扱い説明書だからです。
中身のフォルダは下の写真のように、左側に中分類、右側に小分類(個別フォルダ)となるように整理します。
箱全体が取扱説明書ではない場合は、下記のように、箱の中で大分類・中分類・小分類(個別フォルダ)に分けます。
このように向かって左側に大分類のタイトルがきて、真ん中に中分類、右側に小分類(個別フォルダ)がきます。写真のグレーの厚紙を見出しガイドといい、10枚セット1500円程度で購入できますが自宅では、そこまでお金を掛けずに100円ショップの厚紙を買ってきて無印良品のインデックス付箋紙を購入し自作して使っています。
(4)いつまで保存するのかを考える。
蓄積されていく書類の見直しは1年に一度程度行ってください。学校プリントなどは、学期末ごと見直しをするといいですね。保管をした書類を手放しやすくする事がファイリングシステムの最後のお仕事です。
保証書や取扱説明書は、保証が切れるタイミングや製品買い替えのタイミングで処分するなど、捨てるタイミングを見極めましょう。このように出口を決めておかないといつまでも使わない書類が溜まり、どんなにファイリングしても必要な書類が探しにくい状態になります。必要な書類をすぐに見つけられるように分類して収納しておくことは、不要書類もすぐに分類でき、処分をしやすくすることにつながります。
さて、ホームファイリングを5つの手順に分けてご紹介しました。いかがでしたでしょうか?
ただファイルをするのではなく、まずは(1)書類を集めて、(2)要不要に分けるところからスタート!(3)分類して、(4)分類ごとに収納。ファイリングシステムには2つの手法がありましたね。(5)最後に処分することを考えて定期的に見直すことが大切でしたね。年末前に自宅の書類整理を行ってファイリングをしてみてください。
電子化が進んでいる現代ですが、まだまだ紙の書類はなくなりません。すべてを電子化せずに紙を媒体としたほうが、都合がいい場合があるためです。しかし紙はほっておくと溜まっていきますし、一度溜まってしまうとなかなか整理ができません。そうなってしまうと、一度気合を入れて整理をしなければなりません。
電子化の基本の分類方法もファイリングシステムと同じ。ファイリングができないと、パソコン内のフォルダが勝手に増えたり、削除されたり、階層が深くなったり、タイトルの付け方に統一感がなくなり検索しても見つからないなどという事になりがち……。
電子化に進んでいる今だからこそ、紙ファイリングの基礎を学んで必要な書類が秒で取り出せるように目指してみてください。
もっと深く学びたい方は基本から学べるファイリングアドバイザー認定講座をオススメします。
(文=中山真由美/整理収納アドバイザー、RittaStanza CEO)