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マヨネーズは人体に危険?肥満や心疾患も、トランス脂肪酸含有、低カロリー品も注意

文・取材=A4studio
マヨネーズは人体に危険?肥満や心疾患も、トランス脂肪酸含有、低カロリー品も注意の画像1「Thinkstock」より

 近年、健康志向の人が増え、単身者が食品を買うことが多いコンビニエンスストアなどでも、健康を推し出した食品が人気を博していることからもわかるとおり、健康ブームが到来している。

 そこで今回は、以前から劣悪な油や添加物が使われているので体によくないといわれてきたマヨネーズについて、検証してみたいと思う。

 マヨネーズといえば、主に油・酢・卵黄を原料にしているが、ほとんどの割合を占める油が劣悪なものであれば、健康被害を起こす要因になるであろうことも想像に難くない。

体に悪影響のトランス脂肪酸

『「食べてはいけない」「食べてもいい」添加物』(大和書房)、『40代から食べるなら、どっち!?』(サンクチュアリ出版)などの多くの著書を持つ科学ジャーナリスト・渡辺雄二氏はマヨネーズについてこう語る。

「油を使った食品は、お菓子にしてもお弁当に入っている揚げ物にしてもたくさんありますが、マヨネーズに使われている油が特に劣悪ということはありません。ただ、マヨネーズには悪玉コレステロールを増やす働きがあるトランス脂肪酸が多く含まれているんです。

 そもそも脂肪酸とは、人間の体の細胞をつくるために必要で、エネルギー源にもなるものであり、植物油や動物油に含まれています。そしてこの脂肪酸には、シス型と呼ばれるものと、トランス型と呼ばれるものがあります。通常はシス型が主ですが、条件によってはシス型がトランス型へと変化してしまうのです。

 そして近年になり、トランス脂肪酸はいわゆる善玉コレステロールを減らし、悪玉コレステロールを増やす働きがあるとわかったのです。これにより、動脈硬化が起きたり心臓の疾患のリスクが高まったりすることがはっきりしています。

 たとえばアメリカでは心臓病が多いので、トランス脂肪酸が含まれた食材などには今後かなり厳しい規制をしていくようです」(渡辺氏)

「劣悪な油が使われているので体によくない」というのはあくまで噂だが、トランス脂肪酸が含まれていることが問題のようだ。

「ただ、このトランス脂肪酸というのは、マーガリンやショートニングをつくる過程で植物油を加工する際の水素添加などで生まれやすいのですが、実は天然の油を使用したバターにも含まれています。

 つまりトランス脂肪酸は絶対に食べてはいけないというほどのものではなく、あくまで摂取量が多いと心疾患のリスクを高めてしまうというもの。また、日本でトランス脂肪酸についての規制が厳しくないのは、日本人のトランス脂肪酸の摂取量がアメリカなどと比べると少ないからなのです。

 ちなみに、WHO(世界保健機関)が1日の総エネルギーに占めるトランス脂肪酸のエネルギーを1%未満にすべきだと発表していますが、これは一般的な日本人で考えるとおよそ2g未満。そして、農林水産省が調べたトランス脂肪酸の含有量を見ると、マヨネーズは100g当たり1.0g~1.7g程度とされていますが、マーガリンは100g当たり0.36g~13g、ファットスプレッドは100g当たり0.99g~10g、ショートニングは100g当たり1.2g~31gと、他の食品のほうが圧倒的に多いぐらいです」(同)

 つまりマヨネーズに含まれているトランス脂肪酸は少なくないものの、過剰に摂取しなければそこまで気にする必要はないということのようだ。

低カロリーマヨネーズには正体不明の添加物?

 一方、マヨネーズは腐りにくいため、成分表示に表記されてはいないが、実は防腐剤や保存料といったものが含まれているのではないかという噂もある。

「この噂も間違いですね。マヨネーズには防腐剤や保存料は一切使われていません。なぜ腐りにくいかというと、マヨネーズの主成分である油はそもそも腐りませんし、同じく主成分である酢は殺菌作用が非常に強いためです。また、工場では無菌状態でつくりパックされるため、ほとんど空気に触れることはないので、腐りにくくなっています。

 ただし油や酢は腐りませんが酸化して劣化していきます。マヨネーズに限らず油を使用した食品全般にいえることですが、油は酸化すると過酸化脂質という成分に変化していくのです。

 過酸化脂質は有害で、多く摂取すると、胃痛や下痢を起こすことがありますので、開封してからは早めに使い切ることを心掛けたほうがいいでしょう」(同)

 また、マヨネーズのカロリーの高さを気にする人も多いだろう。

「普通のマヨネーズであればおよそ72~75%程度が脂質。油はカロリーが高いため、マヨネーズを日々多めに常用しているようだと、どうしても脂質やカロリーの摂り過ぎになってしまいます。マヨネーズ100gで700キロカロリーありますから、毎日食べてしまうと肥満や心疾患の可能性を高めてしまうんですね。

 また、近年人気になっているカロリーを半分にしていることなどをウリにした低カロリーマヨネーズにも注意が必要。カロリーを抑えたマヨネーズはその分、本来ならば入ることのない添加物などが含まれているのです。その添加物は増粘多糖類というもので、植物や海藻からつくられています。この増粘多糖類というものは2種類以上の多糖類が併用された場合に使用される、いわゆる簡略表記のため、実際には何が使われているのかわかりません。

 カロリーが控えられているのは間違いないとは思いますが、増粘多糖類が具体的に何かがわからないという不安があるのです」(同)

 とはいえ、渡辺氏は最後に「マヨネーズの卵黄にはタンパク質やミネラルなど、さまざまな栄養成分が入っているため、そういう観点でみると健康にいいでしょう」とも述べているため、過剰摂取しなければ、マヨネーズはやはり優良な調味料といえるようだ。
(文・取材=A4studio)

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エーヨンスタジオ/WEB媒体(ニュースサイト)、雑誌媒体(週刊誌)を中心に、時事系、サブカル系、ビジネス系などのトピックの企画・編集・執筆を行う編集プロダクション。
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