1位がカップ麺で、2位はインスタントラーメン――。
これは、日本人が塩分を多く摂取している食品のランキングだ。5月17日、国立研究開発法人の医薬基盤・健康・栄養研究所は、厚生労働省の国民健康・栄養調査(2012年)のデータを活用して同ランキングを発表した。
1位のカップ麺では1日当たり5.5gの食塩を摂取しており、2位のインスタントラーメンでは同5.4g(いずれもスープを飲み干した場合)。3位は梅干し、4位は高菜の漬物、5位はきゅうりの漬物となっており、現代人がいかに“コンビニ飯”に依存しているかがわかる。
厚労省発表の「日本人の食事摂取基準」では、食塩摂取量の目標値として、男性は1日当たり8g未満、女性は同7g未満となっている。塩分の過剰摂取は高血圧につながる恐れがあるため、同所の研究担当者は「上位の食品を食べすぎないよう、ランキングを活用してほしい」とコメントしているが、実際にカップ麺やインスタントラーメンに頼る生活を続けると、人体にどのような影響が出てどんな弊害が生まれるのか。
以下、フードプロデューサーで一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事の南清貴氏が解説する。
カップ麺に入っているのは「偏った塩」
いつの間にか、5月17日は「高血圧の日」と定められています。365日のうち、「この日だけ注意していれば、高血圧にはならない」というのであれば造作ないのですが、そうはいきません。この日を制定した日本高血圧学会も、まさかそんなつもりではないと思いますが……。
塩分の問題でいえるのは、単純に「摂りすぎ云々」ではなく「どんな塩を摂っているか」が大事ということです。つまり、摂っている塩の質に問題があるわけで、そこに言及しないで塩分摂取について語っても、なんの意味もありません。
医薬基盤・健康・栄養研究所は、カップ麺やインスタントラーメンを頻繁に食べると塩分を過剰摂取することになり、それが高血圧につながるために食べすぎないように注意を促しています。
「どのくらいの量の塩を摂るのが適正か」については正解がなく、人によって違う上に、同じ人でもその日によって変わります。暑い日にたくさん汗をかけば水を飲みたくなるし、塩分もほしくなるのは当たり前のことです。1日の塩分摂取量を定めたところで、そんなものを守れる人はめったにいないでしょう。
大事なのは、そんなことを気にするよりも「いい塩を摂るように心がける」ことです。では、「いい塩」とはどういう塩か。もっともいいのは、海水からつくられる自然塩です。なぜなら、ミネラル分が豊富に含まれているからです。
物質を細かいレベルまで分けていくと、元素になります。それが、ミネラルと呼ばれるものです。ミネラルは地球上に存在するもっとも細かい分子で、それ以上は分解することができません。地球上のすべての物体は、そのミネラルの組み合わせでできています。もちろん、人体も例外ではありません。