ダイソー、“使えない”と大不評の商品5選…衣類圧縮袋、アルコール除菌スプレー

　100円ショップブランドの覇者として君臨する「ダイソー」。家庭用品の販売を目指して誕生した矢野商店が、1977年に大創産業として法人化して以来、これまでその人気を保ち続けてきた業界最大手である。

　事実、2020年の2月末日時点で、その店舗数は日本全国で3493店舗、海外26の国と地域では2248店舗と、業界でもぶっちぎりのナンバーワンとなっており、日夜開発される新たなアイデア商品がSNSでたびたび大きな話題になっている。

　まさに止まらぬ快進撃を見せ続けるダイソー。だが、なかには買ってみると、これはどうなんだ……と首をかしげたくなる“残念商品”があることも。そこで今回、「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」は、例年に続きダイソーの商品を独自リサーチ。「この冬、買ってはいけないダイソーの5品」を選出した。

アルコール除菌スプレー（60ml）／110円（税込、以下同）

　新型コロナウイルスの流行により脚光を浴びている殺菌・除菌アイテムであるが、この「アルコール除菌スプレー（60ml）」を新型コロナウイルス対策として常備しようと考えている方は、ちょっと待ってほしい。

　カバンにスッと入れておけるコンパクトサイズであり、誤射してカバン内がビチョビチョにならない専用カバーも付いているなど、細かな気配りは感じられるこの商品。確かに殺菌作用もある。

　ただ、問題は含有エタノール濃度の低さ。本品はエタノール59％、精製水41％という比率なのだが、厚生労働省が発表している新型コロナウイルスに最も効果的なエタノールの濃度は「濃度70％以上95％以下」とのこと。70％未満でも効果はあるらしいが、最適ではないということだ。それを考えるとこの濃度は低めといわざるを得ない。

衣類圧縮袋／110円

　次は、昨年の「この冬、買ってはいけないダイソーの残念グッズ5選」でも紹介した「衣類圧縮袋」だ。今年もダイソーの店頭でよく見かけるので、改めて紹介させていただく。

　寒さが増してきたこの季節、薄手の衣服から本格的に衣替えするシチュエーションもあることだろう。そんなときに衣類を小さく圧縮できるこうした商品は本来大変重宝されるものなのだが、本品はデメリットの報告が多い商品でもあるようだ。

　というのも、二重になったチャック部分の開閉に非常に手間がかかることや、かなり力を入れてスライドさせないと肝心の密閉が甘くなりがちという報告が、ネット上でいくつか囁かれているのである。値段は安いが“安物買いの銭失い”になりかねない品なのだ。

アルコールバーナー五徳／110円

　アルコールバーナーはソロキャンプで活用されたり、自宅での癒しタイムの演出に愛用されたりと、近年需要が増してきている商品だ。

　アルコールを入れた容器に火を付け、さまざまな調理を楽しむことができるアルコールバーナー。その五徳である本品は、バーナー本体に、三角形にパーツを組み合わせることで、鍋やフライパンを乗せることができる便利なアイテムとなっている。屋外で使用する際には火を守る風防としても機能する一品である。

　実際本品は110円という安価ながら、亜鉛メッキの鉄製でつくりもしっかりしている。ただ、三角形である五徳の構造上、かぶせ具合で火力を調節する蓋がほとんど調節できないという欠点があるのだ。常に強火で良いという人なら問題ないだろうが、異なる構造で使いやすい五徳は巷に溢れているので、無理してこちらを使う必要性は低いといえるだろう。

ダニ捕りシートmini／110円

　次の「ダニ捕りシートmini」も、実は昨年の同企画でも紹介した商品だ。しかし、この季節ついつい手が伸びがちなアイテムでもあるので、今回改めて紹介させてもらった。

　寒さゆえに布団に閉じこもる時間も増えてくるこの季節。しかし、長く布団にこもると厄介なダニが増殖する確率も高くなってしまうもの。本品はそうしたダニを誘導して一気に捕らえるという触れ込みなのだが、懸念点も多く報告されているのである。

　それは人工的なココナッツのような匂いが、どうにも睡眠の妨げになるというもの。しかもダニの十分な吸着目安に3カ月の期間を想定しているので、その匂いにこの長期間耐えねばならないのだ。もちろん、その人工的なココナッツ臭が好みという方は問題ないだろうが……。

　おまけに、3カ月経っても肝心のダニがあまり取れなかったという声もあり、無理して本品を使うより、他のブランドの商品を買ったほうが賢明かもしれない。

キッチンタイマー –L-／220円

　最後は、長引く自粛期間の影響で自炊をするようになった人を助ける“はず”だった「キッチンタイマー -L-」だ。

　本品は最大99分59秒まで設定できるシンプルなキッチンタイマー。しかし、いくつかの欠点が見受けられる商品でもある。まず一つ目はボタンが「分」「秒」「スタート/ストップ」の3種しかないこと。設定をリセットするためには「分」「秒」を同時押ししなければならないのである。細かな部分ではあるが、一発リセットできる他商品が市場にたくさんあることを考えると、悩ましく思えるのも事実だろう。

　二つ目の残念ポイントはボタンの押し込みの心許なさ。つくりが簡素ゆえか、ボタンが引っかかって戻らないこともままあるのである。それが原因かはわからないが、ネット上では“そもそも起動しなかった”などの不具合の報告もあった。あえてこちらを選ぶメリットはあまり感じられないのが正直なところだ。

　今回は“残念商品”を挙げてきたが、ダイソーには見事に機能し、なおかつ驚くほど安いコストパフォーマンス抜群の商品のほうが多い。だからこそ、今回の記事を参考に間違いのない“ダイソーお買い物ライフ”を楽しんでいただければ幸いである。

（文・取材＝「買うべき・買ってはいけない調査班」 from A4studio）

※情報は2020年12月22日現在のものです。