二度の緊急事態宣言発令に伴う営業時間短縮や営業自粛要請、来客数の減少など、飲食業界全体の基盤が大きく揺らぐなかで、大手ハンバーガーチェーンのマクドナルドは、テイクアウトやドライブスルー、デリバリーなどのサービス向上に力を入れ、withコロナ時代にうまく対応して売り上げを確実に伸ばしている。
2021年2月の客数は前年同月比11.3%減だったが、既存店売上高は前年同月比で1.0%の微増となっており、客単価も前年同月比13.8%増を記録している。日本のマックを運営している日本マクドナルドホールディングスが2月9日に行った2020年12月期決算説明会によれば、2015年第4四半期から21四半期連続でプラスを記録しているという。
そんな逆境にも強いマックは、今年もさまざまな商品を登場させている。なかにはクオリティの高さから大きな支持を得ている商品もあるが、少々難のある商品が存在するのも事実。
そこで「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」では今回、マックの定番メニューから期間限定メニューまで独自にリサーチし、「この春、オススメできないマクドナルドのメニュー5選」をピックアップした。あくまで調査班の独断ではあるが、マックでの食事の参考にしていただければ幸いである。
ヤッキー(しょうが焼きバーガー)/200円(税込、以下略)
「ヤッキー(しょうが焼きバーガー)」は、2017年2月に“おてごろマック”として発売され、2018年6月に販売を終了した。約2年半の時を経て2020年1月20日に復活することとなったヤッキーに対してはマックファンから期待が高まっていたが、SNS上では「思っていたよりも微妙だった」という声が散見された。
その原因のひとつとしては、生姜の風味を強く意識しすぎたことが考えられる。口に入れた瞬間から生姜の香りが広がるのだが、鼻にツンと来るような強めの香りで、少々キツく感じられた。生姜の風味の強さから、ヤッキーと入れ替わりで販売を終了した「マクポ(ベーコンマックポーク)」を恋しく思う声も多く上がっている。
しかし、200円という低価格ながら存分に生姜の風味を楽しめるという意味では、お得な商品ともいえる。肉々しいパティに生姜のピリっとしたアクセントが効いていて生姜好きには堪らない商品だが、生姜の香りや味に多少苦手意識がある方は注文を避けるのが無難だろう。
シャカシャカポテト 鶏にんにくから揚げ味/Mサイズ310円
「てりたま」などの春の定番商品と同じく、今年3月3日に登場した「シャカシャカポテト 鶏にんにくから揚げ味」。“鶏にんにくから揚げ味”という「シャカシャカポテト」シリーズのなかでもジャンクさが極まった味のために、賛否両論が巻き起こることとなった。
鶏にんにくという商品名から想像される通り、パウダーはかなり濃い目の味つけとなっていて、マックの細いポテトと相性抜群。しかし、にんにくの風味が強すぎるためモチーフとなっているはずのから揚げの味わいが感じられず、食後もにんにくのニオイが残り続けてしまう。
マスクを付けて外を出歩くのが当たり前となっているこのご時世では、にんにくのニオイが残り続けるというのは少々厳しいように思える。から揚げの風味を期待しすぎると、実際に食べてから後悔してしまう商品といえるだろう。
エッグマックマフィン/200円
朝マックの定番商品といっても過言ではない「エッグマックマフィン」。しかしながら、“しっとり”と銘打ちながらもパサつきのある食感には否定的な意見も多く、マックグリドル派とマックマフィン派で二極化しているようだ。
エッグマックマフィンの特徴は、食べ応えのあるカナディアンベーコンと、クセになる美味しさのチーズ、大きくてぷるぷるとしたたまごの3つの具材で構成されるシンプルな構成。そのため、具だくさんなバーガーよりもバンズが占める割合が必然的に大きくなるので、オリジナルマフィンの歯ごたえやパサついた食感が気になる方には不向きな商品といえるだろう。
逆にマフィンの食感が気に入っている方にとっては、シンプルな美味しさがある商品のため、オススメできるバーガーだ。
ポテナゲ大/500円
「ポテナゲ大」は夜マック限定のメニューで、「マックフライポテト」Lサイズと「チキンマックナゲット」10ピースがセットになっている商品。それぞれを普通に購入するよりも価格が31%オフとなっているコスパの優秀さが最大の特徴だ。
それぞれ安定の人気サイドメニューだが、問題とされているのはそのボリューム。「ポテナゲ大」とハンバーガーを注文したものの、一人では食べ切ることができずに後悔したという声がSNS上で多く見られた。
もちろん複数人で食べるのであればコスパが良いのでオススメだが、一人で食べるのであればボリュームに対する価格のお得さに釣られず、ちゃんと食べ切れるかを考えてから注文するべきだろう。
マックフルーリー キットカット/290円
「マックフルーリー キットカット」は今年1月27日に登場した期間限定商品。クラッシュ状にされたキットカットと、クーベルチュールチョコを材料に使ったソース、なめらかなソフトクリームが合わさったスイーツだ。しかし、レギュラー商品として販売されている「マックフルーリー 超オレオ」と比べるとイマイチと評する口コミが多い。
評価が芳しくない理由は、その食感にある。キットカットの持ち味であるウエハースのザクッとした食感があまり目立っておらず、単にチョコレートソースがかかったソフトクリームのような味わいになっていて、少々物足りないのである。
また、チョコソースの甘さが非常に強いうえに量が多いことも、キットカットの食感が影に隠れてしまっている要因のひとつ。各食材のバランスの面では、定番の「マックフルーリー 超オレオ」のほうが優れていたようだ。
ここまで買ってはいけない商品として紹介してきたが、人によっては絶賛しているような商品も多い。美味しい食品をコスパ良く楽しめるのがマックの大きな強みでもあるので、ここで挙げた商品のなかで気になるものがあればあえて挑戦してもいいかもしれない。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)
※情報は2021年3月12日現在のものです。