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まさか「バイオハザード ヴィレッジ」のラストで涙を流すとは…そして次回作への伏線?

文=後藤将之/ライター
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バイオハザード ヴィレッジ

 ゾンビやクリーチャーとの戦い、肉体損壊および流血描写といったグロテスクさがウリの“サバイバルホラー”、そのシリーズ最新作がこの「バイオハザード ヴィレッジ」だ。しかし本作は、開発・発売メーカーのカプコンが「皆さまから『バイオは怖すぎる』との声を受けた」と発売前にゆるキャラ(?)を使った人形劇風の「バイオ村であそぼ♪」を展開するなど、従来の“恐怖感”を否定するような不思議なキャンペーンを展開し、物議を醸したのは記憶に新しいところだ。

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ジワジワと高まってくる恐怖の演出にビビる!

 ベイカー邸での惨劇から数年、事件から生還したイーサン・ウィンターズは対バイオテロ部隊「BSAA」の庇護の下、妻のミア、そして愛娘のローズと平穏な日々を過ごしていた。しかし、幸せな生活はBSAA隊長クリス・レッドフィールドの襲撃によって破られる。奪われた娘を取り戻すため、イーサンは再び死地へと向かう――。

 今作のタイトル名は「~ヴィレッジ」となっており、数字を使ったナンバリング作品では無く「外伝」作品かと思った人もいるかもしれない。しかしパッケージをよく見ると「VILLAGE」の文字部分が「VII.I.AGE」となっており、ローマ字の「8」が忍ばせてあることに気がつくはずだ。

 恐怖感の演出も、前作「~7」をはじめとした過去のシリーズに劣らず“プレイヤーをビビらせる”ギミックが満載。特に従来のようなクリーチャーの不意打ちを警戒する「脅かし」よりも、「新しいエリアに出る→探索する→じわじわと高まる不穏な空気」といった展開が基本となっており、緩急のメリハリが効いている。

最後に待っていたのは“泣ける”シナリオ

 第1作が登場した1996年。ホラーゲームというジャンルを確立させたのが「バイオハザード」だった。しかし、そのヒットによって他社からも続々と同ジャンルのゲームがリリース。カプコン自身もシリーズ展開することによるマンネリ回避・ライバルたちとの差別化のため、たびたび新機軸が盛り込まれてきた。新しく「~ヴィレッジ」に盛り込まれたのは、シナリオと場面を盛り上げる演出面の強化だ。

 なお本作のストーリーは前作「~7」と密接にリンクしており、こちらをプレイしておいたほうが、張り巡らされた伏線をより楽しめる構造となっている。いろいろと思い出しながら、展開や謎を想像・推理する楽しみが広がるのだ。もちろん未プレイでも「~ヴィレッジ」単体で意味不明な部分が発生するような不親切な部分はないが、意外な人物との再会など、同じ場面でも受ける印象が大きく変わることになるだろう。

 そして今回のシナリオを貫くテーマは「家族愛」。イーサンの妻・ミアと愛娘・ローズに対する想いと、ラストに見せる彼の行動に、多くのプレイヤーが心を揺さぶられることになるだろう。一連のストーリー性の高さはシリーズ屈指。発売前によもや「バイオハザードで涙を流す」ことになるとは想像だにしなかった。

 エンディングでは次回作(「~9」)につながるであろう物語も語られ、期待が膨らむとともに、その余韻が一層強まる憎い演出も用意されている。

 次はどのような新機軸が打ち出されるのか。今から楽しみである。

(文=後藤将之/ライター)

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