ステイホームが奨励されるなか、自宅のベランダでアウトドア気分を楽しむ「べランピング」や「庭キャンプ」が人気を集めている。さらに、自宅から徒歩圏内の公園に赴き、テントを立ててゆったり過ごすといった超近場アウトドアスタイルも流行中。
遠方のキャンプ場に足を運ばなくなったことで、浮いた交通費を備品に充てる人も増え、国内最大級のフリマアプリ「メルカリ」では、キャンプグッズの売買が活発化している。すでに製造が終了している商品が出品されているケースも多く、コアなキャンプ愛好家からも注目を集めているメルカリだが、中には相場よりも高い値段が付けられているものや、年季が入り、使い物にならないものも。
今回は、そんなメルカリで見つけた、買ったら損をする可能性が高い、クセの強いキャンプグッズを5点ご紹介する(価格は税込み、各種情報は調査時点のもの)。
防虫 ヘッドネット/1050円
今の時期のアウトドアレジャーを満喫するためには、防虫対策に気を配る必要がある。こちらのヘッドネットは、高密度の網状メッシュにより、羽虫の攻撃から首から上をしっかりガード。通気性も良く、炎天下で着用しても苦にならない。
刺されたら命に関わるような危険な害虫が多い地方のキャンプ場では、活躍するだろう。しかし、首都圏に住む人が近場でアウトドアを楽しむ場合、虫除け対策としては過剰装備の感は否めない。それどころか、虫は黒色の衣服に寄ってくる習性を持つため、かえって虫との遭遇率を高めかねない気も。
商品ページの写真ではバケットハットとセットで紹介されているが、出品されているのはあくまでネットだけなので要注意。アトピーなどで虫除けスプレーが使えないという事情の人は重宝するだろうが、生活圏内でキャンプを楽しむ人にとっては魅力に乏しいアイテムといえるだろう、
日除け シェード/2800円
暑い日のベランピングや庭キャンプを快適に過ごすためには、降り注ぐ日差しからうまく身を守りたい。生地に高密度ポリエステルを使用したこちらのサンシェードは、遮光性抜群。本製品がつくり出す影の下に身を置けば、体感温度は下がり、熱中症のリスクを防げる。
面積は縦2メートル、横3メートルとかなり広く、3、4名の大人が日差しから身を隠すことが可能だ。しかし、一般的なマンションのベランダで使うには大きく、ベランピングで使うには不向き。自立式ではなく、設置するには別売のフックを壁や手すりに取り付ける必要があり、面倒くさがりな人にもおすすめできない。
紫外線防止機能が搭載されているが、ほかの同種の製品がUVカット率99%以上をうたっているのに対し、こちらはカット率が95%とやや低いのも気になるところ。紫外線は日焼けのほかにも健康被害をもたらす恐れがあり、紫外線対策に万全を期したい人は利用を避けた方がいいだろう。
日本船燈 ビンテージ 昭和レトロ ランタン/2万5700円
メルカリでは、市場に出回っていないレアなアイテムが出品されていることもザラにある。普段はなかなか目にする機会がない年代物の商品を見つけられるのは良いことだが、中には“不用品”同然のものが高値で売られていることもあるので、購入は慎重にならざるを得ない。
こちらのランタンは昭和26年に生産された国産のオイルランプ。全体が錆びついており、火を灯したら温かみのあるレトロな雰囲気を醸し出してくれそうだ。しかし、あまりに古すぎて、インテリアとしてならともかく、ランタンとして実際に機能するかどうかは心許ない。
実用性は実際に購入して使ってみなければわからないが、骨董品マニアでもない限り、使えるかどうか怪しいアイテムに2万円もかけるのはリスキーといわざるを得ないだろう。
キャンパス生地の可愛いローチェア/1万2000円
個人間で商品の売買を行えるのがメルカリの魅力だが、中古品に混ざってハンドメイドのアイテムも数多く出品されている。こちらのウッドチェアもその一つ。
女性が片手で持ち運べるコンパクトなサイズで、背もたれは丈夫なキャンバス生地のため安定感抜群。近所の公園に持ち運んで日光浴をしたり、ベランダに腰を落ち着けてゆっくり読書をしたり、プチアウトドアシーンでの活躍が期待できそうだ。
しかし、懸念点もある。既製品と違い、耐荷重が何キロなのかといった客観的なデータがなく、ネット上の口コミも存在しないので、商品ページの画像と紹介文のみで使い勝手を想像するしかないのだ。
椅子の好みは千差万別であり、お気に入りの1脚を見つけるためには、実際に座ってみるのが最も確実だ。その点、メルカリに出品されているハンドメイドの椅子は購入の決め手となる情報が少ないため、購入は慎重になったほうがよさそうだ。
ただ者ではないエコバッグ タイベック/1000円
宿泊するならまだしも、日帰りキャンプではそこまで多くの荷物を必要としないため、バックパックは重くて邪魔なだけ。そこで重宝したいのが、登山家やキャンパーがサブバッグとして使うことの多い「アタックザック」だ。
こちらの製品は、折り畳むと手のひらサイズにまで収縮するのが強み。重量はおよそ50gと、荷物を入れていない状態では背負っている感覚がないくらい軽い。
収納力はいまいちだが、携帯性に優れるため、小規模なキャンプで使うのにもってこい。しかし、白色なので汚れが目立ちやすいのが難点だ。また、耐水性のあるタイベックソフト素材だが、完全防水ではないため、雨天時の使用には不安が残る。
アウトドア用のバッグに求められるのは、何より頑丈さと、ガシガシ使える耐久性。長く使えるものを選ぶとなると、残念ながら本製品は選択肢から外れてくるだろう。
コロナ禍で旅行や外食が大幅に制限されたことが影響したのか、国内のキャンプ人口は増え続けている。ここでは購入をおすすめしないと評したグッズも、使い方次第では活躍してくれるはずだ。定番商品から、めったに手に入らないレア物まで幅広いアイテムが出品されているメルカリで、屋外での憩いのひとときを格上げする、とっておきの一品を見つけてほしい。
(文=清談社)