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費用400万円?お墓がない!と慌てないために…格安の樹木葬や手元供養なら維持の悩み無用

文=藤村紀美子/ファイナンシャルプランナー・高齢期のお金を考える会
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費用400万円?お墓がない!と慌てないために…格安の樹木葬や手元供養なら維持の悩み無用の画像1「Getty Images」より

 現在、「お墓について悩んでいる人」が、とても大勢います。お墓の問題は、その人の人生観、死生観、住んでいる地方の伝統、属する宗教などによるところが大きく、簡単に述べることはできません。そこでここでは、「お墓を持っている人」と「お墓を持っていない人」の問題点について、述べてみたいと思います。

(1)お墓を持っている人の問題点

 お墓を持っている人の半数は将来、そのお墓は無縁仏になると思っているようです。

「お墓を継いでくれる人がいない」「今あるお墓をどうしよう」「自分のお墓の面倒を見てくれる人がいるだろうか」「子供には迷惑をかけたくない」という声を、よく聞きます。

 お墓はあるが、遠くてお墓参りができない人は「墓の移転」「墓じまい」について悩み、離檀料の心配をしています。

 それらの手続きについては、『まごころ価格ドットコム』が日本全国、同一価格で墓じまいに関するサービス(墓じまいにかかわるすべての煩雑なこと)を一手に引き受けてくれるようです。考える労力、時間を節約するために、このようなサイトを利用するのもひとつの方法かも知れません。

(2)お墓を持っていない人の問題点

 まだお墓がない人は、どのようなお墓にしたらよいか、なかなか決められないようです。最近はお墓に多様性が出てきて、さまざまな形態があります。

 お墓の種類としては 一般的なお墓、納骨堂、樹木葬、散骨、宇宙葬、手元供養などがあります。

【一般的なお墓】
 どこが経営しているかにより、宗教法人の墓地、公営墓地、民間墓地に分けられ、金額にかなりの差があります。民間の墓地といっても、たとえば花が咲き乱れているガーデニング墓地のように、いつも行きたくなる綺麗な花園のような墓地もあります。

 一般的なお墓を建てるための費用は、墓地、墓石等を含め大体150~400万円ほどかかります。

【納骨堂】
 納骨堂とは、骨壺に入れた遺骨を安置しておく建物でロッカー式、棚式、仏壇式、お墓式があり、寺院納骨堂、公営納骨堂、民間納骨堂があります。納骨堂の場合は、一般のお墓に比べて約3分の1の費用で済み、大体50~150万円ほどかかるようです。

樹木葬
 樹木葬とは、墓地の樹木の下に遺骨を埋葬するもので、お墓の継承者を考える必要もなく、費用も50万円程度と安価です。東京都庁で行われた樹林墓地の抽選会では、募集枠の8倍の1万3000人が応募しました。費用は12万8000円で、管理費はかかりませんでした。

散骨
 海や山に、パウダー状にした遺骨を撒くことで、5~30万円程度かかります。ただし、条例などにより散骨が禁止されている場所がありますので、事前によく調べる必要があります。

【宇宙葬】
 ロケットでパウダー状にした遺骨を宇宙に持って行き撒きます。費用は100万円ほどかかります。しかし、多くの場合はロケットの能力により、地球の重力圏内に撒くことになるようです。容積、質量の制約もあることから、数グラムの遺骨数十人分から数百人分をシリンダー状の容器に入れ、一緒に打ち上げているようです。

 また、バルーンで宇宙に遺灰を持って行き、バルーンが割れることにより、宇宙に遺灰を撒く方法もあります。費用は20万円ほどで済むようです。

【手元供養】
 遺骨をそのまま自宅に保管したり、アクセサリーなどに納めて手元に置いて供養する方法です。納骨堂や樹木葬などと併用して利用する場合が多いようです。場所をとらず、費用も安いのが利点です。亡くなった人をいつも身近に感じていたい人には、お勧めかもしれません。

 近年は少子化で子供が少なく、また独身、離婚等で子供のいない人も多く、お墓を承継する人がいないケースが増えています。その上、「お墓はいらない」と考える人が男性で約15%、女性で約26%もいます。そのような状況を考えると、何がなんでもお墓が必要だと考えることはないでしょう。

 筆者も従来の慣習にとらわれず、樹木葬と手元供養の併用がいいのではないかと考えるようになってきました。子供は結婚している娘が2人おりますが、それぞれ忙しく働いているため、墓の承継者にはならないでしょう。どうせ無縁仏になるのなら、初めから管理が不要な樹木葬にすれば、承継者の心配をしなくてすみます。

 お墓は先祖と家族をつなぐ精神的なもの。お墓に入る人のためのものではなく、残された人が亡くなった人を偲ぶためのものだと思います。だとしたら、お墓は亡くなっていく人が考える必要はなく、残された人が考えればよいのではないでしょうか。

 ただし、「自分のお墓をつくったら精神的に安心した」という人もいるので、お墓をどうするかという問題は、その人が独自に考えればよいのでしょう。
(文=藤村紀美子/ファイナンシャルプランナー・高齢期のお金を考える会)

藤村紀美子/ファイナンシャルプランナー・高齢期のお金を考える会

藤村紀美子/ファイナンシャルプランナー・高齢期のお金を考える会

(立教大学ドイツ文学科)卒業後研究室で副手を1年務め結婚。女児2人を出産し、下の子が3歳になったときに(中央大学法学部)に学士入学。法律の面白さに惹かれ、卒業後も勉強を続ける。宅建とFP試験に合格(CFP、宅地建物取引士)。その直後夫の赴任に伴いアメリカに約8年居住。帰国後FPとして働き始める。講演、相談、執筆を行う。その間、簡易裁判所、家庭裁判所で調停委員、参与員、司法委員を定年まで勤める。
著書:「100歳まで安心して暮らす生活設計」(共著)、「どっちがお得?定年後のお金」(共著) ‘高齢期のお金を考える会’メンバー。高齢者施設を多数見学し、高齢者施設の種類、内容、注意点、選び方等を勉強する。

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