デザイン性の高い家具や雑貨をリーズナブルな価格で販売し、日本でもファンを増やし続けている世界的家具チェーン「IKEA」。国内では2006年に第1号店をオープンさせていたが、近年は郊外の大型店舗だけでなく、都会で暮らすユーザーをターゲットにした都市型店舗を渋谷や新宿にオープンさせ、これまで以上に気軽に利用できるブランドになっている。
国内でIKEAを展開するイケア・ジャパンが2021年1月15日に公表した第19期(2019年9月1日~2020年8月31日)決算公告によると、売り上げは前期比2.7%増の867億4400万円、営業利益は19億3200万円、経常利益は17億1500万円。ここ数年、赤字経営が続いていたIKEAだったが、コロナ禍の巣篭もり需要を追い風にして約4年ぶりに黒字転換する結果になった。
さて、基本的に高評価の商品が多いIKEAだが、なかには購入ユーザーから不満の声が上がっている商品も存在する。そこで今回はIKEAの“要注意”な商品を5つピックアップした。買い物の参考にしていただけると幸いである。
BEHÖVD ベホーヴド(魔法瓶)/699円(税込、以下同)
いよいよ本格的な寒さを感じる日も増えてきたため、普段自宅でお茶やコーヒーなどの飲み物をつくってストックしている方なら、ホットドリンクを飲みたくなることもあるだろう。
「BEHÖVD ベホーヴド(魔法瓶)」は飲み物の温度を保ってくれる魔法瓶のため、一見すると温かい飲み物にも冷たい飲み物にも最適なように思える。オシャレなデザインも魅力的だが、注意を呼びかけたい点が2つあるのだ。
まず、見た目の割に容量が少ないという点。この商品は高さ30 cmで太さもあるので、1.5Lくらい入りそうな大きさに見えるのだが、容量は意外にも1Lなのだ。魔法瓶なので厚みがあるのは仕方ないが、容量に対してかさばりすぎる気がする。次に、注ぎ口の周囲にある溝に飲み物が溜まりやすいという点も、衛生的な面でも不安が残る。この2つが気にならない方であれば、低価格の魔法瓶として重宝するかもしれない。
SLIBB スリッブ(物干し用ハンガー 2段)/499円
スウェーデン生まれのIKEAには、日本ではあまり見ない使用方法の珍しい雑貨も多く販売されている。「SLIBB スリッブ(物干し用ハンガー 2段)」もそのうちのひとつ。物干し竿に通して使う物干しハンガーなのだが、ドーム状になっていることで洗濯物をポイポイと放り込めるのが魅力となっている。国内メーカーの雑貨店などではあまり見ない形状ということもあって、目からウロコなアイテムに見える。
だが、同商品を購入したユーザーからは「もう少し大きさが欲しい」「インナークッションを置けるほどの大きさじゃないのがもどかしい」などの声もあがっているのだ。実際に使ってみたところ、靴下を重ならないようにして置くならば1段に4足しか並べられなかったので、見た目の印象よりも一気に干せる数が少なく感じるというのが正直な感想だった。
BROGRUND ブログルンド(ハンガー 扉/ドア用)/799円
自宅の収納スペースが少ないという悩みを解決してくれそうな「BROGRUND ブログルンド(ハンガー 扉/ドア用)」。ドアの上部のわずかな隙間に引っ掛けることで、並んだ5つのフックにハンガーや小物を掛けることができるというアイテムで、一部のユーザーからは「強度がありシンプルで使い勝手が良い」と高く評価されている。その一方で、「自宅のドアの厚みに合わなかった」と報告するユーザーも少なくない。
実際に購入して、自宅やオフィスなどの計3つのドアで試してみたところ、ひとつは開閉のスムーズさを保ったまま取り付けられたが、残りの2つは取り付けられたもののドアが完全に閉まらなくなってしまった。かけたい扉にハマれば便利な商品だろうが、購入する前に使用予定のドアのサイズを確認しておく必要があるだろう。
DOLD ドルド(砂糖入れ)/399円
IKEAの商品は、キッチンまわりのちょっとした雑貨でもスタイリッシュさを感じさせるアイテムが多い。「DOLD ドルド(砂糖入れ)」も同様に、透明度の高いクリアガラスと重厚感のあるステンレスのコントラストがスマートな印象の調味料ケースだ。
しかし、見栄えはオシャレなものの、使い心地に関しては気になる声も聞こえてくる。公式サイトのレビューを見てみると、「中に入っている砂糖の量が少ないとスムーズに中身が出てこない」との指摘がいくつか見受けられる。
実際に使ってみると、確かに中に入っている砂糖の量が少ない場合には中身が出てきにくい。それだけでなく、中身が多いときにも出が悪いことがあった。つまり、“一度に出る量が均一ではない”という印象を受けた。デザイン性を重視する方や調味料の細かい分量はあまり気にしない方ならば、さほど大きな欠点にはならないとは思うが、購入する前によく検討すべきだろう。
GRUNDVATTNET グルンドヴァトネット(シンク用マット)/399円
単身世帯向けの部屋のコンパクトなキッチンで料理をする際、なにかと不便さを感じる場面が多いはず。特に調理で使った器具や、野菜を切ったときに出る生ゴミを置くスペースに悩まされるなんてことは、日常茶飯事ではないだろうか。
「GRUNDVATTNET グルンドヴァトネット(シンク用マット)」は、シンクの底に敷いて置くためのマットで、上記のような悩みを解消してくれるという。だが、同商品を購入したユーザーからは「溝にゴミがたまる」とのデメリットが指摘されている。
その真相を確かめるべく実際に使ってみると、生ゴミを溜め込むことなく捨てられて便利ではあるのだが、確かに商品の深い溝にゴミが入ってしまう。そのため、細かいものを乗せたあとは溝をほじるように洗わないと衛生面での不安が残るので、手入れに手間がかかるというのが感想だ。
また、乾かす際にも場所を取るので、後片付けや保管の面でややデメリットがあるように感じた。しかし、本来の目的はしっかり果たしてくれるの、後片付けが苦にならない人にとっては決して悪い商品ではないだろう。
今回“要注意”な商品として取り上げたなかには、用途や使い方によっては問題なく便利に使えるものもある。自分の使うシーンと商品の特徴がマッチしているかを見極めたうえでなら、試しに購入してみるのもアリかもしれない。
(取材・文=A4studio)
※情報は2021年11月16日現在のものです。